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「もくじ」がちょっと新しくなったよ

2018年9月1日土曜日

鳥たちのくつろぎ温泉

山のおくのそのまたおくに、鳥がいっぱい住んでいる
鳥の国がありました。

鳥の国には山のおくにあるからか、
たくさんの温泉がありました。

鳥たちは、毎日、夜寝る前に温泉に入ります。

なので夕方になると、温泉に鳥たちが集まってきます。

最初にきたのは、長い足のフラミンゴです。

フラミンゴは、長い足を軽やかに上げて、
温泉の湯の中に入りました。

静かに温泉の中ほどまで歩くと、立ち止まり、
すらりと伸びた足の左側をすっと上げて、温泉から出し、
体に近づけて羽毛の中にしまいました。

「ふ~っ、気持ちいい」

フラミンゴは息を吐くように言って、のんびりと、
一本足だけを温泉につけて立っていました。

次に温泉に来た鳥は、スズメでした。

片足だけ温泉につけているフラミンゴの横で、
スズメは温泉に飛びこむように入りました。

「あつい!あつい!」

スズメは小さな体で、温泉の上を、
ちょこまか、ちょこまか、と泳ぎました。

「うぅぅ…もうダメだ!」

と、叫ぶと、スズメは小さな羽を小刻みに羽ばたかせ、
飛んでいってしまいました。

スズメのいなくなったあとフラミンゴは、なにごとも
なかったように、静かに左足を降ろして温泉につけ、
変わりに、右足を上げて、温泉から出しました。

「ふ~っ、気持ちいい」

スズメの次に来たのは、ツバメでした。

ツバメは、物凄いスピードを出して、温泉に向かって
飛んで来ました。

そして、高速スピードのまま、温泉にお腹だけをつけて、
端から端まで、

シューン!

と、温泉の上をすべるように進み、
そのまま飛び去っていきました。

ツバメが高速で温泉につかって飛んでいっても、
フラミンゴは、なにごともなかったかのように、
気持ちよさそうに片足を温泉につけていました。

「ふ~っ、気持ちいい」

次に来たのは、ハクチョウでした。

ハクチョウは、温泉に近づくと、まず、温泉のふちに
しゃがみ、羽をきようにつかって、温泉のお湯を
自分の体にかけました。

「フラミンゴさん、こんにちは」

ハクチョウはフラミンゴに挨拶してから温泉に入りました。

「ハクチョウさん、ごきげんうるわしゅう」

フラミンゴはそう言いながら、左側の足を降ろし、
温泉の中に入れ、変わりに右側の足を上げました。

ハクチョウは、フラミンゴと少し離れたところまで、
ゆったりと泳いでいどうしました。

そして、フラミンゴと距離ができると、おもむろに、

“バシャーン”

と、両羽を温泉に叩きつけました。

ハクチョウの周りに、湯気とともにお湯が舞い上がり、
そのままハクチョウの羽の上に落ちました。

すると、今度は片方の羽を叩きつけて、
やがて羽を交互に温泉に叩きつけました。

“バシャバシャ、バシャバシャ”

たくさんのお湯と、ハクチョウの体が見えなくなる
くらいの湯気が舞い上がりました。

ハクチョウの舞い上げたお湯は、
フラミンゴにもかかりました。

シャワーのように感じるので、フラミンゴは、
ハクチョウが舞い上げるお湯を浴びるが好きでした。

そのあと、ハクチョウは体を右に傾けました。

“ザバーン”

つづいて左に傾けます。

“ザバーン”

最後は、頭から飛び込むように、
温泉の中に体を入れました。

“バッサーン!!”

派手にお湯が舞い上がり、
フラミンゴの体にも大量にかかりました。

ハクチョウは温泉の中から顔を出すと、
すました顔をして、温泉の端まで泳ぎ、
静かに温泉から出て、

“ブルブル、ブルル”

と、濡れた体を震わしました。

体が渇くと、振り返り、

「ごきげんよう」

と、フラミンゴに挨拶をして帰っていきました。

フラミンゴは立ち去るハクチョウを見送りながら、
ブルブル、と軽く体を震わせたあと、
右足を下げ、左足を上げました。

片足で温泉を楽しみながらフラミンゴは思いました。

「今日は、カラスさんはくるのかなぁ」

フラミンゴはその後、温泉につける足を変えながら、
しばらく温泉につかっていました。

やがて、お日様は沈み、辺りは暗くなってきました。

鳥の国に夜が訪れます。

「ふ~、心地よかった~……、
 さて、そろそろ帰るか~」

フラミンゴは両方の足を温泉の中に入れ、
両足で走り出し、羽をバッサバッサと羽ばたかせ、
飛び上り、そのまま飛んで帰っていきました。

辺りは暗くなり、この後で、
温泉にくる鳥はいませんでした。

こうやって鳥たちは、毎日、同じように
温泉に入っていました。

熱がりですぐに出てしまうスズメは茶色の体になりました。

高速でお腹だけを温泉につけて飛び去ったツバメは、
お腹だけが白くなりました。

温泉のなかで、羽をバシャバシャやっていたハクチョウは、
汚れがキレイに落ちて真っ白になりました。

片方の足をずっと温泉につけていたフラミンゴは、
ハクチョウの舞い上げるお湯を浴びたおかげで、
体はキレイになりましたが、長い時間
温泉に入っていたので、体がポッカポカになり、
ピンク色になりました。

そして、とうとう温泉に入りに来なかったカラスは、
真っ黒な体になったとのことでした。


おしまい。



今回のもとのお話はコチラ

福娘童話集『 大根が白いわけ 』
http://hukumusume.com/douwa/pc/kobanashi/06/09.htm



━━━ お話はここまで ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



☆ちょこっとHappy♪☆

今回の鳥たちは、自分の好きなように温泉に入り、
温泉の入り方で、自分たちの体の色が決まっていきました。

そんな生き方ができたら、自己嫌悪になんかならずに生きて
行けるような気がします。

自己嫌悪におちいってしまうかたの多くは、
自分への期待値が多いと言われています。

「こんなはずじゃない」
「なぜ、こうじゃないんだ」

という思いが自己嫌悪に繋がります。

その判断基準になっているのは、
他人との比較の場合が多いです。

「あの人はこうなのに、なんでわたしは~」

と、言った具合です。

そんなことを思う人に対して、

「他人と比べるなんて、意味がない!」

と、人は良く口にします。

しかし、自己嫌悪におちいっているときに、
そんなことを言われても、受けいれられるハズが
ありません。

そんなとき、どうぞ今回のお話を思い出してください。

鳥たちは、自分たちのペースで
好きなように温泉に入ります。

そして、鳥たちは自分の色に染まっていくのです。

自分が「気持ちいい」「心地いい」と思えることを、
たったひとつでもいいから、見つけてください。
感じてください。

そして、それだけは他人から何か言われても、、
変な目で見られても、変えないでください。

自分が「気持ちいい」「心地いい」と思えるものができれば、
そこだけは、あなたが、自己嫌悪にならずに済む場所
となります。

大切なことは、自分が「気持ちいい」「心地いい」
と思えるものに素直になることです。

素直に自分の気持ちを受け入れて、感じてみましょう。

そして、素直に自分の色に染まりましょう。

ただし、法律や規則には十分注意してくださいね。


今日のHappyポイント♪
『 気持ちいい、心地いいを、素直に大切に! 』


ご意見ご感想、お待ちしています(^0^)/


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