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「もくじ」がちょっと新しくなったよ

2018年8月26日日曜日

お手伝いさん家のお化け[中編]

[前編]はこちらからどうぞ



お屋敷の仕事を終えて、家に帰ってきた2人は、
食堂で遅い食事をとっていました。

すると、食卓を灯していたランプの炎が、
風も無いのに、突然、消えました。

「おやおや、消えてしまったなぁ」

「ほんと、暗いとお食事がまずくなりますね」

サチコさんはすぐにランプに火を灯しました。

何度も火を灯すのですが、すぐに消えてしまいます。

「なんだか、よく消えますねぇ」

「ホントだねぇ」

2人はランプが消えるたびに、火を灯しました。

すると、今度は食堂の扉が、ガタガタと震えました。

「おやおや、誰か来たのかな?」

ユタカさんは立ち上がり、扉を開けましたが、
誰もいませんでした。

ユタカさんが食卓に戻り、食事を始めると、
今度は、天井から、誰かの笑い声が聞えてきました。

「おやおや、楽しそうな笑い声が聞こえるぞ」

「ホントですねぇ、楽しそうですね」

ユタカさんとサチコさんは、そんな会話をしながら、
食事を続けました。

そして、不思議な現象が次々とおきましたが、
2人はたいして驚くこともなく、いつも通りに眠りました。

2人がお手伝いの家に引っ越して来てすぐに、
サチコさんは奥様から、「住み心地はどう?」
と聴かれました。

「大変、住みやすいです」

と、こたえると、

「お化け出ない?」

「えぇ、不思議なことは起きてますが、
 お化けは見ていませんね」

「あら、良かったわ、お化けが怖くて、
 あなたたちが、辞めるなんて言い出したら、
 どうしようと思っていたのぉ。
 長く、住めそうかしら」

「はい、これからも、このご恩を忘れずに、
 真面目に働かせていただきます」

とサチコさんが言うと、奥様は優しい声で、
「安心した」と微笑みました。

そして時はたち。
ユタカさんとサチコさんが、お手伝いの家に越して
来てから、1カ月くらいすぎたある夜のことです。

ユタカさんとサチコさんは寝室で寝ていました。

しかし、その夜はなんだか寝苦しくて、
2人とも寝れずにいました。

「なんだか、眠れませんねぇ」

「眠れないなぁ~」

と、2人で話していると、

ミシ…、ミシ…、

と、廊下を誰かが歩いてくるような音がしました。

ミシ…、ミシ…、

音は、だんだん近づいて来ているようです。

「なんの音でしょう」

と、サチコさんが言うので、ユタカさんは、
なんの音か確かめようと、起き上がりました。

「あっ!」

ユタカさんが、大声を上げたので、サチコさんは
起き上がり、

「どうしたの?」

と声をかけたサチコさんの目の前には、
見知らぬ、おじいさんとおばあさんが立っていました。

サチコさんは大変ビックリしましたが、
それと同時に体がかってに動いてしまい、
おじいさんとおばあさんに向かって、

「こんばんは」

と、挨拶をしてしまいました。

「こんばんは~」

おじいさんとおばあさんも挨拶を返してくれました。

ユタカさんも、その光景を眺めています。

おじいさんとおばあさんは、なんだか白っぽくて、
ぼんやり浮かんでいるように目の前にいました。

「失礼ですが、どちらさまでしょうか?」

サチコさんが、見知らぬお客様に訪ねるように言うと、
優しそうな笑顔を浮かべながら、おじいさんが言いました。


───[後編]へつづく

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