※童話の更新は週1回(だいたい土曜日の夜)です(^0^)/

≫≫≫ ☆ もくじ ☆ ≪≪≪

2018年3月14日水曜日

ハトとアリの救出大作戦!

森の中にある水飲み場に、一羽のハトがやって来ました。

水が溜まっているところに、ちょうどいい木の枝があり、
ハトはいつものようにそこにとまり、
くちばしで水をすくって、飲みました。

「おいしい」

ハトは満足そうな表情をしました。

その後で、キョロ、キョロ、と、周りを確認しました。

水を飲むたびに顔を上げ、同じような行動をとっています。

この森には水飲み場が少なく、
ここにはいろんな生物がやって来てます。

その中にはハトを襲ってくるものもいるので、
警戒していたのです。

ハトは何回か水をくちばしですくって飲みました。

そろそろ飛び立とうかと思い、
もう一口、と水にくちばしを伸ばしました。

すると、水の上になにかがいるのに気づきました。

さっきまでは気づきませんでした。
いや、さっきまで水の上にはなにもありませんでした。

目をこらして見てみると、アリのようでした。

あやまって水場に落ちてしまったのか、
バタバタと必死に足を動かして、もがいていました。

ハトは水をすくうのをやめ、
近くにあった、大きな葉っぱをくちばしでちぎり、
アリのそばに置いてあげました。

アリは必死に足を動かして、葉っぱに近づいて、
よじ登りました。

アリが葉っぱの上に乗ったのを確認すると、
ハトは葉っぱを水飲み場の外に運びました。

運んでいる途中で、一瞬だけ、葉っぱの上にいるアリと
目が合ったような気がしました。

水の無いところに葉っぱが置かれると、
アリはすぐに葉っぱからおりました。

******

アリは、森の中で今日もエサを探して歩いていました。

「エサはないか、エサはないか」

ヒクヒクと触角を動かして、
ちょろちょろと忙しなく歩きました。

すると、目の前にエサになりそうなものがありました。

ヨシ、これは大物だぞ!

と、意気込んで噛みつき運ぼうとしましたが、
なかなか重くて、動かすことができません。

「フムムムムム!」

足を踏ん張り、全身に力を入れました。

それでもエサは動きません。

アリは一度エサを離し、呼吸を整えました。

「ふーぅ」

と大きく息を吐くと、もう一度エサにかぶりつきました。

そして、先ほどよりも足を踏ん張り、全身に力を込めて、
引っ張りました。

「ンヌヌヌヌヌヌヌヌ!!!」

力を込めた分、エサが少し動いたのを感じました。

もう少しだ! と思ったアリはもっと力を込めて引っ張りました。

「フンッ、ンヌヌヌヌヌヌヌヌ!!!」

と、その時、

“プチン!”

という音とともに、アリが噛んでいたエサのいち部分が
チギレてしまいました。

激しく引っ張っていたアリの体はチギレた反動で、
ピョ~ンと、空中に舞い上がりました。

“ポシャン!”

アリが着地したのは水の上でした。

アリは慌てました。

早く陸に上がろうと、足をバタバタさせました。

しかし、なかなか思うように体が進まず、
水の上でバタバタしているだけでした。

「ふ~、いつものように泳げない」

アリは先ほどまで力いっぱいエサを引っ張っていたので、
少し体力が落ちていました。

でも、早く陸に上がりたいので、
足を動かすことをやめませんでした。

「フヌヌヌヌヌ」

必死になって足を動かしていると、
近くに木の葉っぱが落ちてきました。

よし、アレに乗っかろう!

アリは一所懸命、足を動かして葉っぱに近づき、
なんとか乗ることができました。

“ふぅ~”と息をつく間もなく、
今度は乗った葉っぱが動きだしました。

「うわわわわ」

慌てるアリは、葉っぱをくわえている生き物と目が合いました。

「ハトさん」

アリがハトの顔を不思議な表情で眺めているうちに、
葉っぱは陸の上に置かれました。

アリはすぐに葉っぱから、陸に降りました。

見あげると、枝にとまったハトがコチラを見ていました。

“ありがとう”

と、アリは言おうとしましたが、
ハトの背後になにかがいるのに気づきました。

「アレは人間の手だ!」

人間がハトを捕まえようとしていたのです。

“マズイ、このままではハトさんが人間に襲われちゃう”

アリはハトを助けようと思い走り出しました。

アリは人間が嫌がることを知っていました。

すぐに人間の足元へ走っていって、ズボンの中に入りました。

ごそごそズボンの中で歩いているだけで人間は嫌がります。

その上で、もっと人間が嫌がることをしました。

“ガブリッ”

人間の足に噛みついたのです。

『イデーッ!!』

と、人間は声を上げ、同時に足を激しく振ったので、
アリの体は投げ出され、またもや空中を舞いました。

空中を舞っているとき、目線のすみに、
元気に飛び立っていくハトの姿が見えました。

「よかった」

と、アリは思いました。

“ポトン!”

と、今度は地上に着地でいたので、
人間に踏まれないように一目散に走って逃げました。

ハトとアリはそれっきり出会うことはありませんでしたが、
お互い、とても感謝しながら過ごしました。



おしまい。



今回のもとのお話はコチラ

福娘童話集『 アリとハト 』
http://hukumusume.com/douwa/pc/aesop/04/15.htm



━━━ お話はここまで ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



☆ちょこっとHappy♪☆


童話でHappy♪では、学校の道徳のようなことを
書くつもりはないのですが、今回のお話は、
「助け合い精神」という道徳的な内容になりました。

「情けは人の為ならず」

という諺があります。

『情けを人にかけると、巡り巡って自分へ返ってくるよ、
 だから、良いことを人にしなよ』

という意味です。

「自業自得」

という熟語があります。

『自分のした業(ごう:行ない)は、自分に返って来る。
 良い行ないをすれば、良いことが、悪い行ないをすれば
 悪いことが返って来る』

という意味があります。

「因果応報」と共にお釈迦さまの基礎的な教えです。

そして今回の物語で、イソップさんは、
『ハトでもアリでも、恩返しは大切だよ』と説いています。

現代に目を向けると、感動プロデューサーの平野秀典さんは、
『恩送り(贈り)』を提唱しています。

受けた恩を本人に返すことができなくても、その恩を他の人に
渡すと良いという、江戸時代にはあった言葉だそうです。

自分の受けた恩を、周りの人と分かち合うことを、
たくさんの人がやり始めたら、この世の中は、
きっとステキになるでしょうね。

人助けをすることや、受けた恩は返すということは、
自分にとっても良いこと。

これは、いつの時代でも変わらない真理なのかもしれません。



今日のHappy♪ポイント

『 もらった恩は感謝して、みんなで分かち合おう! 』


ご意見ご感想、お待ちしています(^0^)/


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