※童話の更新は週1回(だいたい土曜日の夜)です(^0^)/

≫≫≫ ☆ もくじ ☆ ≪≪≪

2017年12月9日土曜日

お金はお金を呼んで来る

あるところに退屈な人がいました。

退屈な人は、退屈なので、ボー、っとしていました。

ふと、この前、友だちが話していたことを思い出していました。

「お金を拾うと、嬉しいよね
 しかも、お金を呼んで来るって言うよ。
 1円玉を拾うと、5円玉を呼んで来て、
 5円玉は10円を呼んで来て、
 どんどん大きなお金を呼んで来るんだよ」

退屈な人は、少し考えました。

(お金を拾って嬉しいなんて、ホントかねぇ……
 お金を拾ったって、警察に届けに行かなきゃならないだけ、
 めんどくさいじゃないか)

退屈な人は、ちょっと律儀な人でした。

おもむろに、自分の財布を開けてみました。
なかには5円玉が1つありました。

それ以外、コンビニのレーシトがあるだけで、
お金は入っていません。

(今晩、何食べよう……)

退屈な人は、お金に縁がない人でもありました。

退屈な人は、ちょっとうなだれましたが、
気分転換にと、街へ出かけました。

お金は落ちてないかと、キョロキョロと目配りしながら歩きました。

でも、お金は見つかりませんでした。

試しに、自販機の返却口にも手を入れてみました。

すると、3つ目の自販機に100円玉が入っていました。

おっ!と、退屈な人は喜びましたが、

(これは拾ったと言えるのか?)

と、小首を傾げました。

律儀な退屈な人は、なにか罪悪感を感じたので、お金を返そうと、
100円玉を自販機に入れて、電気がついた飲み物を買いました。

80円の飲み物が買えたので、20円のおつりが出てきました。

(おぉ、なんか得した気分)

20円をとろうと返却口に指を入れました。

“チャリ―ン”

取り損ねた10円玉の一枚が地面に落ちてしまいました。

10円玉はコロコロと転がっていきました。

退屈な人は手に持っている10円玉と飲み物をポケットに入れ、
転がっている10円玉を取ろうとしましたが、
そのまま転がって、自販機の下に入ってしまいました。

(あーぁ)

退屈な人は、一瞬、あきらめようとしましたが、
気になったので、屈んで自販機の下を覗きこみました。

自販機の下はうす暗く、目をこらして見ると、
土やら埃やらがいっぱいです。

(きたねー)

さらに目をこらすと、10円玉らしきものが見えました。

その横にはもう一個10円玉のようなものが見え、さらにその横には、
銀色に光る硬貨のようなものも見えました。

(あれは、もしかすると100円玉!)

退屈な人はトキメキましたが、

(イヤ、待てよ、100円玉だと思って取り出すと、
 50円玉だったことなんて、よくあることじゃないか)

後でガッカリしないように、あれは50円玉だ、
と、思うことにしました。

なにせ退屈な人はお金に縁のない人でもありますから、
そんな想像をしてしまうのでした。

でも、どうやって取ればイイ、と退屈な人は悩みました。

試しに、手を入れてみましたが届きそうにありません。

その後も、這いつくばり、自販機の下をのぞきこみました。

(あっ、)

退屈な人は、今いるところが街の中だということを
急に思い出しました。

街で、這いつくばって自販機の下をのぞく恥ずかしい人に
自分がなっていることに気づき、慌てて立ち上り、
周りを見ないように早歩きで立ち去りました。

そして、近くの建物の陰に隠れました。

ふり返ると、さっきまでいた自販機が見えます。

(あの下には、10円玉が2枚と50円玉がある。
 70円あったら、コロッケ一枚くらいは買えるだろう。
 もし、100円玉だったら……)

退屈な人は“ブルンブルン”と頭を振りました。

いらぬ想像はしちゃダメだ。

それよりも、どうやって取るかだ。

と考えながら見ていると、自販機の前に、
二人の少年がやって来るのが見えました。

(おや? 少年、棒を持ってるぞ)

少年二人は、おもむろにしゃがみ込み、
持っている細長い棒を自販機の下に入れました。

(あいつら!)

退屈な人は建物の陰から慌てて飛び出しました。

少年たちは棒を上手く使い、あっさりと自販機の下から
お金を取り出して、走り去ろうとしていました。

「待て!」

退屈な人は思わず声を上げました。

「やべぇ!」

少年たちは慌てて逃げました。

慌てていたので、せっかく取ったお金を一枚落としてしまいました。

“チャリ―ン”

(あ、あれは!)

退屈な人は、ちゃんと見ました。

少年たちが落とした銀色したお金は、コロコロと転がっています。

退屈な人は、慌ててお金を追いました。

お金は、コロコロと転がって、今度は、
何人か座れる横長のベンチの下に入っていきました。

退屈な人は、すぐにしゃがみ込みました。

ベンチの足の下に、確実に銀色したお金がありました。

(よし!)

退屈な人は心の中で声を上げました。

すると、頭の上の方から声がしました。

「てめぇ! 何してやがんだ!」

退屈な人はスゴイ力で、グイッと引っ張り上げられました。

目の前には、男の人の顔があり、とても怖い表情をしています。

「てめぇ、オレの彼女の前に屈みこんで何する気だ!」

退屈な人は横目で見ると、さっき自分が屈んでいたベンチに、
スカートをはいた女の人が座っていました。

退屈な人は慌てて、

「誤解です、誤解、ボクはただぁ」

と、言い訳しようとすると、ドン、と突き飛ばされて
後ろへ倒れ込みました。

「イテテテテ」

退屈な人がお尻の辺りをさすっていると、
女の人が立ち上がり「ほっとこう」と男の人を引っ張って、
歩いて行ってしまいました。

男の人は、不服そうにこちらを見ています。

(な、なんなんだぁ……)

退屈な人は、混乱しながらも、ちょっとホッとしました。

そしてすぐに体勢を変えて、ベンチの下をのぞきました。

ベンチの足の下に銀色のお金があります。

取るにはベンチを動かさなければなりません。

座っていた女の人もいなくなったので、
退屈な人はベンチを横から力を込めて押しました。

“ズズーッ”

ベンチは、ちょっと横に動きました。

退屈な人はすぐに、ベンチの下を確認しました。

そして、

「おぉぉぉぉぉぉ!」

と、思わず叫んでしまいました。

そこには銀色に輝く100円玉がありました。

退屈な人は、100円玉をありがたそうにとりました。

「おぉぉぉぉぉぉ!」

100円玉をまじまじと眺めて、

(なるほど、お金を拾うと、確かに嬉しいね)

と、涙をこらえながら、心からそう思いました。

「ちょっと、キミ、キミ」

誰かが退屈な人の肩を叩きました。

声のした方を向くと、そこにはお巡りさんがいました。

気付けば二人のお巡りさんに囲まれています。

「何しているんだい?」

お巡りさんに質問された退屈な人は、

(怪しい行動ばかりしてたから、
 お巡りさんに目をつけられちゃったのかな?
 でも、ちょうどいいや)

と、思い言いました。

「お巡りさん、ベンチの下から、お金拾いました」

律儀な退屈な人は、100円玉をお巡りさんに手渡しました。

お巡りさんは100円玉を受け取ると、

「それはご苦労様です」

と言いながら、ポケットから財布を出し、中から
100円玉を出して手渡してくれました。

そして、お巡りさんは一言二言注意を言って
去っていきました。

退屈な人は、フーゥ、と息を吐いてから、
手渡された100円玉を手に乗せて、ポケットの中から、
自販機から出たおつりの10円玉を出して並べました。

(本当に呼んで来るんだな)

退屈な人は手のひらを閉じて握りしめると、
先ほど買った飲み物を開けて一気に飲みほしました。

そして、手のひらに110円を握りしめながら、
近くのコンビニに入っていきました。

手にしたお金はすぐに手放す主義の退屈な人に、
本当のお金の縁が巡ってくるのはまだ先のようです。


おしまい。



今回のもとのお話はコチラ

福娘童話集『 やっとわかった 』
http://hukumusume.com/douwa/pc/kobanashi/03/04.htm



━━━ お話はここまで ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



☆ちょこっとHappy♪☆


もとの話はとてもシンプルですが、童話でHappy♪では、
だいぶ創作してしまい、もはや童話でもない内容に
なってしまいました。

このお話で伝えたいことは、小さなチャンスでも、
追い続けて行けば、最後にはきっといいことがある、
ということです。

『成功とは成功するまでやり続けること、
 失敗とは成功するまでやり続けないこと』

経営の神さま、松下幸之助さんの言葉です。

このような言葉をいう偉人たちは大勢います。

しかし、そう言う偉人たちは、結果として成功しているから
そう言えるのであって、本当になんでもかんでもやり続けてたから
成功するのかといったら、怪しいな~ぁ、とも思えてきます。

そもそも、1つのことをやり続けることが苦手な人は
けっこういると思います。

わたしなんて、まるっきりそんな人間なのですが、
そんなわたしでも、唯一、長く続けられていることがあります。

それは、

生きること。

生きてることだけは、なぜか、ずっとやれています。

こんなに、なにをやっても長続きしないわたしがです。

自分でも驚きです。

つまり、偉人たちの言葉が本当なら、
生きていれば、必ず、成功する!

ハズです。

きっとあなたも同じです。

生き続けられていることは、最早チャンスです!

『 生きてるだけでまる儲け 』

お笑い怪獣 明石家さんまさんの言葉です。

偉人たちの言葉を、ちょこっと信じて、楽しみにしながら、
これからも、わたしは生きていこうと思います。


今日のHappy♪ポイント

『 生きていることだけは、長続きしてるね 』


ご意見ご感想、お待ちしています(^0^)/


0 件のコメント: