※童話の更新は週1回(だいたい土曜日の夜)です(^0^)/

≫≫≫ ☆ もくじ ☆ ≪≪≪

2017年11月15日水曜日

命の恩カエル

とある街の外れ。

そこには大きな池があり、1匹のカエルが住んでいました。

その日は朝から雨が降っていましたが、
午後になってあがり、お日様が顔をだしました。

池に住むカエルは、雨をしのいでいた大きな葉っぱの下から
外に出ました。

木々や地面の草についた水滴が、お日様の光を浴びて
キラキラと光っています。

カエルは眩しくて目を細めました。

「キレイな景色だなぁ~」

カエルがキラキラした景色を、ボーっと、ながめていると、
街道のほうを、1匹のカエルが、ぴょんぴょん、
と、はねて移動しているのが見えました。

「あれぇ、見かけない顔だなぁ」

移動しているカエルは、街道沿いにある水たまりに入ると、
はねるのをやめました。

「さっきの雨でできた水たまりに入って、
 なにしてるんだろぉ」

移動して来たカエルは、水たまりに止まったまま
動き出しません。

池のカエルは気になって、ぴょんぴょんとはねて、
水たまりの方へ向かいました。

そして「こんにちは」と挨拶をしてから訪ねました。

「そんな水たまりでなにやっているの?」

水たまりにいるカエルは、笑顔で池のカエルに言いました。

「なんだか、居心地がいいから、ここに住んじゃおうかなぁ、
 って、思ってたところです」

池のカエルはビックリして言いました。

「住んじゃうって、そこはさっきの雨でできた水たまりだよ、
 すぐに水がなくなっちゃうし、車が通ったら、
 ひかれちゃうかもしれないよ!」

「えー! ただの水たまり!!
 居心地よかったのにガッカリです」

水たまりのカエルはショボンとしてしまいました。

「気を落とすことは無いよ!
 ボクが住んでる池に来るとイイよ!」

池のカエルは元気に言いました。

「え、一緒に住んでもイイんですか?」

「うん、ボク1匹じゃ、広くて困ってたんだ、
 ちょうど良かったよ」

「そうなんですかぁ、それなら、お言葉に甘えちゃおうっかな」

と、水たまりのカエルは、ぴょーん、とはねて、
外に出ました。

2匹は、ぴょんぴょんと、池に向かってはねました。

池のカエルが先を行き、水たまりのカエルがあとに続きます。

ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、

と、しばらく進んだとき、

“ガシャガシャガシャ”

後ろの方で大きな音が聞えててきました。

2匹は跳ねるのをやめて振り返りました。

それは街道を走る馬車の音でした。

馬車は、勢いよく走ってくると、先ほどいた水たまりの上を

“バシャ―ン!!”

と水しぶきを上げながら通り過ぎていきました。

2匹のカエルはビックリしました。

水たまりのカエルがさっきまでいた、
まさにその真上を馬車が通っていったので、
水たまりのカエルは驚きのあまり、
“ブルブル”っと体を震わしました。

水たまりのカエルは、池のカエルに向かって言いました。

「ありがとうございます。あのままいたら、わたしは今頃、
 死んでいたかもしれません。あなたはわたしの命の恩人です」

「いやぁ、そんな大げさなぁ」

池のカエルは照れながらそう言いました。

その後2匹は、また、ぴょんぴょんとはねて、池にやってきました。

「うわーぁ、広い!」

水たまりのカエルは目を輝かせて感激しました。

「本当に、わたしも住んでもイイんですか」

「もちろん、一緒に住みましょう」

「夢のようです! なにからなにまで、本当にありがとう」

水たまりのカエルが丁寧にお礼を言うと、
池のカエルは照れ笑いを浮かべました。

それはら2匹は仲良く暮らしました。

そんなある日のことです。

昨日まで2日間雨が続いていました。

2匹のカエルは、それぞれ、大きな葉っぱの下で、
雨をしのいで過ごしていました。

今朝も雨が降っていましたが、段々、雨が弱まり、
やっと葉っぱの外に出れるようになりました。

「いやぁ、ずっと降ってたね」

池のカエルが水たまりのカエルに話しかけました。

「はい、ずっと葉っぱの下にいたので、たいくつでした」

「雨がやんだから、もうちょっとで、お日様が出てくるよ。
 そしたらね、この辺、すごくキレイな景色になるんだよ」

「えっ、本当ですか! 楽しみです」

と、2匹は雨上がりの気持ちよさも手伝って、
のん気に話しをしていました。

その時、どこからとともなく、音が聞こえてきました。

“ドドドドドドドドドド”

「なんですか? この音」

水たまりのカエルが聞きましたが、池のカエルは首をひねって、

「なんだろう? 聞いたことない音だ」

“ドドドドドドドドドドドドドーーー”

だんだん音が大きくなって来ます。

2匹は、音に耳を傾けて、身を構えていると、

“ザザザザザザザザザーーーッ!!!!”

突然、大量の水が池に流れ込んできました。

「うわぁ!」

2匹はあっという間に、水にのまれてしまいました。

水たまりのカエルは、たまたま地面からのびている葉っぱに
しがみつくことができ、陸に上がることができました。

すぐに池のカエルを探しました。

陸の上から周りを見渡すと、
池の中はどこからか流れてきた水と木の枝や草で
めちゃくちゃになっていました。

キョロキョロと見ていると、少し進んだところに、
池のカエルがいました。

激しく流れる水に抵抗するかのように、池の底の方から
一本の折れた木の枝が伸びていて、そこに池のカエルが
必死にしがみついていました。

水たまりのカエルは近くまで行くと、
池に落ちないように足を踏ん張り、
片方の前足を大きく伸ばして、大声を上げました。

「わたしの手に捕まって!!」

木の枝にしがみついている池のカエルはその声に気が付き、
前足を思いっきり伸ばしてきました。

あと少しで、2匹の前足は届きそうです。

その時、池のカエルがバランスを崩し、
激しく流れる池に体が取られました。

しかし、後足でなんとか踏ん張り態勢を整えました。

「だいじょーぶ?」

「うん!」

2匹の間には、木の枝や草が、ごちゃ混ぜになって流れて行きます。

水たまりのカエルは、もう一度足を踏ん張り直して、
前足を伸ばしました。

池のカエルも思いっきり前足を伸ばすと、
今度は、2匹の足はがっちりと触れ合いました。

水たまりのカエルは全身に力を入れて、
おもっきり引っぱります。

池のカエルは、枝を離し、
激しく流れている池に飛び込みました。

水たまりのカエルは前足をギュッと握りしめ、
力を込めて、陸に倒れ込むように引っ張り上げ、
池のカエルは陸に上がることができました。

ぜーぇ、ぜーぇ、

2匹は陸の上で並び、苦しそうに息をしました。

ぜーぇ、ぜーぇ、

しばらくして息が整ってくると、池のカエルが言いました。

「ありがとう、助かったよ」

「よかった」

と、水たまりのカエルは笑顔で言ったあと、

「やっと、恩返しができました」

「恩返し?」

池のカエルがキョトン、とした表情をすると、
水たまりのカエルは、

「わたしはあなたに、命を助けられていますから」

笑顔でそう言う水たまりのカエルに、池のカエルは、

「あなたと、一緒に住んで、本当によかった」

「わたしもです!」

池は、まだまだ激しくめちゃくちゃに流れていましたが、
空は明るくなり、やがてお日様が顔を出し、辺りを照らしました。

「キレーイ!!」

2匹は、自分たちが生き延びたことを実感しながら、
キラキラした景色を、しばらくながめていました。


おしまい。



今回のもとのお話はコチラ

福娘童話集『 近所に住む2匹のカエル 』
http://hukumusume.com/douwa/pc/aesop/02/04.htm



━━━ お話はここまで ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



☆ちょこっとHappy♪☆


大変なことが起きたとき、って慌ててしまいませんか?

わたしなんて、びっくりして、息が詰まって頭の中が真っ白になって、
なにをしていいのか分からなくてあたふたしてしまいます。

大変なことが起きたとき、的確に行動できる人って、
どんな人だかご存知ですか?

・頭の回転が速い人

・気の強い人

・大変な状況に慣れている人

この3つのタイプなら『大変な状況に慣れている人』が
圧倒的に的確に行動できます。

上2つのタイプの人も的確に行動できそうな気がしますが、
確実に動けるかどうかは、その人しだいのところがあります。

でも、大変な状況に慣れている人は、
間違いなく的確に行動できます。

それはなぜか?

大変なことに慣れているので、驚くことも少なく、
慌てたとしても、慣れているので、すぐに平常心に戻れます。

頭の回転が速くても、気が強くても、
驚いたり、慌てている状態では、的確な判断はできません。

平常心、つまり「平常な心」の状態の人は、
ゼロ(平常)から行動に移せるので、
より的確に行動できるのです。

大変なことが起きても、平常心でいられるように、
あなたも日ごろから、平常心を保てるように意識して、
生活してみるとイイかも知れませんね。


今日のHappy♪ポイント

『常に平常心でいられる自分を目指す!』


ご意見ご感想、お待ちしています(^0^)/


0 件のコメント: