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「もくじ」がちょっと新しくなったよ

2017年9月23日土曜日

欲張りな犬

小春日和の午後。

一匹の犬がエサを加えて歩いていました。

自分の顔から、はみ出るくらいの大きな肉です。

犬は自分の家に戻ってゆっくり食べようと思い、
早足で歩いていました。

犬の目の前に川が見えました。

この川を越えれば、自分の家はすぐこです。

川を渡ろうとした時です。

フト見ると、目の前に犬がいるのが見えました。

しかも、自分と同じように肉を加えています。

自分がくわえている肉より、目の前の犬がくわえている肉の方が、
少し大きいように見えました。

犬は、その肉も欲しくなり、横取りしちゃおうと考えました。

そして、吠えて相手を威嚇しようとしました。

“おっと”

犬は吠えるのをやめました。

ここで吠えてしまっては、自分の肉が口から離れ、
川に落ちてしまいます。

犬は、川から少し離れたところに、肉をやさしく置きました。

そして、向きを直し、川に向かいました。

するとどうでしょう、目の前の犬も
肉を置いてこっちを向いているではないですか。

これは自分と戦う気なんだな、と犬は思いました。

それならば、先手必勝、とばかりに、
犬は自分から目の前の犬に飛びかかりました。

すると、目の前の犬も、自分に向かって飛びかかってきました。

“このままではぶつかる!”

犬はおもいっきり目をつぶりました。

“バシャーン!!!!”

どうしたことでしょう、目の前の犬とぶつかると思っていたら、
なぜか川に落ちてしまいました。

犬は慌てて川から上がり、びしょびしょになった体を、
ブルブルと振って水を飛ばしました。

そして川を遠くから眺めて、首をかしげました。

おかしなこともあるもんだ、と思いながら、犬は早く家にかえろう、
と思い、自分の肉をくわえて川を渡ろうとしました。

川に近づくと、また、目の前に、肉を持った犬が現れました。

とっさに、今度こそ逃がさないぞ!

と思った犬は、思わず、

「バウッ」

と吠えてしまいました。

すると、目の前に大きな肉が現れました。

肉だ!

と、犬は一瞬喜びましたが、
すぐに自分の口に肉がないことに気づきました。

“あっ、あれはボクの肉!”

肉は川の流れに流されて行きます。

“待て、待て”

犬は、川に浮かぶ肉を追いかけました。

“待って、待って”

犬は必死に肉を追いかけました。

“待って~ぇ”

しばらく追いかけたところで、運よく木の枝に肉は引っかかりました。

“そのまま、そのまま”

犬は肉に追いつき、無事にくわえることができました。

ふーっ、と犬は安堵しました。

“それにしても、おかしなことが起こる川だなぁ”

と、小首をかしげながら、今度はわき目も一切ふらず、

家に向かって一目散に歩き出しました。

そしてもう、この不思議な川には近づかないでおこうと
犬は思いましたとさ。


おしまい。



今回のもとのお話はコチラ

福娘童話集『 欲張りなイヌ 』
http://hukumusume.com/douwa/pc/aesop/01/01.htm



━━━ お話はここまで ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



☆ちょこっとHappy♪☆


今回は、犬目線に拘って書いてみました。
なので『 川にうつった自分に向かって吠えていた 』
というオチが、伝わりにくかったかもしれません(^^;;

この犬のように、敵もいないのに戦おうとしたり、
怒ったり、はたまた落ち込んだりすることって、ありませんか?

思い込み、とか、独りよがり、なんて言葉が浮かんできます。

この物語を読んで、この犬は、なんてバカなことしてるんだ、
とあなたは思ったかもしれません。

でも、いざ犬のような立場になると、おかしい状況になっていることに、
意外と気づかないんですよね。

不思議なものです。

なんとか気づく方法って、ないものでしょうか?

ひとつの提案として、今回のお話を読むように、
第三者の立場から自分を見てみるというのもアリだと思います。

例えば、人に自分のことを話してみて、
相手から率直な感想を聞いてみる。

話す相手がいないのなら、状況を紙に書いて、
それを自分で読み返してみるだけでも、
第三者から見ることに近づきます。

そのような状態になれば、この物語を読んでいるのと同じようになり、
『この犬は、なんてバカなことしてるんだ』とあなたが思ったように、
自分のおかしなところも気付くことができるかもしれません。

客観的な立場、或は、他人の目で見るとでも言うのでしょうか?

「今の状況を第三者から見ると、どう見えるだろう」

と、日ごろから考える癖をつけると、敵もいないのに戦ってしまったり、
意味もないことで怒ったり、落ち込んだりすることが減るでしょうし、
この犬のように

「もう、二度と川になんて行かない!」

なんて間違った考え方をして自分の行動範囲を狭めるようなことも
無くなっていくと思います。


今日のHappy♪ポイント
『 自分の行動を他人の目で見てみよう 』

ご意見ご感想、お待ちしています(^0^)/


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