※童話の更新は週1回(だいたい土曜日の夜)です(^0^)/

≫≫≫ ☆ もくじ ☆ ≪≪≪

2017年11月25日土曜日

ミーコの気まぐれ

「うちの親は、食事のマナーにうるさいのよぉ」

車を運転している若い女性が言いました。

「そうなのかぁ、なんだか胃が痛くなってきた」

緊張したおもむきで助手席に座る男性は、正面をうつろな目で見ながら、
お腹の辺りを擦りました。

「しっかりしてね、あたしたちの結婚がかかってるんだからね」

「うん、分かってる、ちゃんと挨拶しないとね」

「そう、でも、その前に食事だね、
 とにかく食べる順番とタイミングが大事よ」

「テーブルマナーは、学校で習ったんだけどなぁ」

「うちのは独特なのよねぇ、わたしも小さなころから、
 ずっと注意されててね、決まった順番がある訳じゃないのよ、
 タイミングなのよ」

「タイミングねぇ」

「それと食事の流れなんかで注意されちゃうんだよ~、
 わたしからの合図、ちゃんと覚えてる?」

「大丈夫」

と、男性はズボンの横から出ているひもを手にして、

「ひもをツン、と君が一回引っ張ったら、おつゆを飲み、
 ツンツン、と二回のときは、ご飯を一口食べ、
 ツンツンツン、だったら、こばちを手に取り……」

「違う違う、ツンツンツンは、おかずを食べる、
 たぶん焼き魚が出るから、キレイに食べてね」

「あっ、そうか、ツンツンツンで焼き魚ね、
 で、こばちは何だっけ?」

「こばちは、ひもじゃなくて指でツンよ」

「そうだ、こばちは、指と……ちゃんとできるかなぁ」

「だいじょーぶ、合図するのは最初だけで、
 あとは慣れると思うからぁ、きっとうまくやれるよぉ」

「慣れねぇ」

男性は不安な表情のまま、やがて、車は女性の実家に到着しました。

女性も実家に帰るのは何カ月かぶりでした。

二人は出迎えてくれた両親に挨拶して、
リビング通されるやいなや女性の方が、

「ミーコ、久しぶり!」

リビングのソファで寝ていた白に黒のぶちがついたミーコという
ネコに抱き付きました。

ヨシヨシと首や額の辺りを擦ると、
ミーコは目を閉じて気持ちよさそうにしています。

リビングにあるテーブルにはすでに料理が置かれていて、
母親に促された席に男性は座りました。

男性は車を降りてから、ずっと緊張していて、
椅子に座っても体はガチガチです。

「それでは、とりあえず乾杯しようか」

そういう父親に、男性は立ち上がり、

「私がつぎます」

と、ガチガチと小刻みに震える手で、ビール瓶を持ちました。

「これは、すまない」

と、父親も少しぎこちない口調で言ったので、
ミーコから離れ、テーブルに移動してきた女性は、

「もう、みんなそんなに緊張しないで」

と笑顔で言いながら、男性のすぐ横の椅子に座りました。

「おう、そっ、そうか」

父親は照れくさそうに笑いました。

そして、みんなのコップに飲み物が注がれると、
乾杯して食事会が始まりました。

ここからが本番とばかりに、男性は緊張しました。

男性が箸をとると、早速、ツンツンと紐が引っ張られました。

(ツンツン、だから、まずはおつゆを飲めばいいんだな)

男性は、透明なおつゆにワカメとなんだか分からない、
白いものが入ったお椀を両手で持ち上げて、
なるべく音を立てないように一口飲みました。

「はぁ、美味しいです」

男性が正面に座っている母親に笑顔を向けて言うと、

「まぁ、それは良かった、口に合うか心配してたのよ」

と、母親が嬉しそうに言いました。

すると、すぐに父親が、

「うちのお母さんの料理は、絶品だぞ!」

と、ちょっと大きな声で言いました。

「イヤですよ、お父さんたらぁ」

ハハハハハハァ、とみんなで笑い、少し場がなごみました。

ツンツンツン

紐が引っ張られました。

(よし、おかずだな、鮭の切り身、上手に食べるぞ)

男性は無難に鮭の身をほぐし、口の中に入れました。

(えーと、つぎは───)

こうして男性は女性の合図にしっかり応え、
順調に食事は進んで行きました。

しばらくすると、だいぶ慣れて来たのか、男性は合図が無くても
ちゃんとした順番とタイミングで食べることができるようになりました。

両親ともごく普通に笑顔交じりで会話をしていたので、
女性も安心して、合図を出さずに楽しく食事をしていました。

女性が合図をしなくなったので、ズボンの横から出ている紐は、
椅子から垂れ下ってしまいました。

そこに、ソファーからミーコがトボトボと歩いてきました。

そして、垂れ下っている紐の前で止まり、ジーっ、見つめています。

ミーコはおもむろに前足を上げ、紐を引っ張りました。

ツン

(あ、)

ご飯を食べようとしていた男性は

(ここは、おつゆか)

と、慌てておつゆを飲みました。

ツンツンツン

(ん、今度はおかずか)

男性は、おつゆのお椀を置くと、鮭に手を伸ばしました。

すると、

ツンツン

(えっ、合図が早いな、ご飯か)

鮭をごはんの上にのせました。

ツンツン

(わかったわかった、ご飯だな、ご飯)

男性は、ご飯をガツガツと食べました。

ツン

(え、おつゆ)

男性はすぐにお椀をとりおつゆを一口飲みました。

ツンツン

男性は、ご飯を食べ、

ツンツンツン

鮭に手を伸ばし、

ツン

すぐにおつゆを飲みました。

男性のその慌しい食べ方に、三人とも呆然と眺めていました。

女性は、ふと、両親の見ました。
とても驚いているようすです。

マズイ、と思い、何してるのよ、と男性を肘で突っつきました。

(えっ、ここでこばちか!)

男性は指で突かれたと勘違いして、こばちに手を伸ばしました。

すると、すぐさま、

ツンツン

と、ご飯の合図を受けたので、片方の手にこばち、
片方の手にご飯という状態になってしまいました。

「はぁー」

と、女性は思わず頭を抱えてうなだれました。

うなだれている女性を横目で見た男性は、

(あ、なんか俺、失敗したか)

と、思い、すぐに両親の顔を見ました。

両親は呆気にとられたような表情で、男性を見ていました。

男性は、静かに、こばちとご飯を置き、愛想笑いを浮かべて、

「あははははぁ、とっても美味しくて……」

と、口をもぐもぐしながら言いました。

少し、重たい空気がテーブルの上を流れました。

「あ、ぁ…………」

男性が冷汗をかいていると、

「いや、実に見事な喰いっぷりだ!」

と、父親が言いました。

男性と女性は驚いた表情で父親を見ました。

「男の人は、その位でないといけないな、なぁ母さん」

「そうですね、そんなに食べてくれると、作りがいがあります」

と、母親は笑顔で言いました。

「え、あっ、あー」

どうしていいのか分からない男性の横で女性が言いました。

「えっ、お父さん、お母さんいつも食事の順番とかうるさいのに、
 どうしたの?」

父親は笑顔で、

「あぁそれは、おまえが子どものころ、落ち着きなく、
 アッチコッチ手を出して好き勝手に食べるから、
 落ち着けるために厳しくしたつもりだが、それがどうした?」

「じゃぁ、他の人はいいの?」

「いいも、なにも、おまえだって大人になったんだから、
 好きに食べればいいさ」

「えーっ」

女性はびっくりした声を上げてから、

「なーんだーぁ!」

と、気の抜けた声を出して、
椅子の背もたれにどっと寄りかかりました。

「なんだとは、なんだ」

父親が困惑していると、

「ふーぅ」

と息を吐いた男性も、手をテーブルについて、
頭を下げてうなだれました。

「二人とも、どうしたの?」

不思議そうな母親に、女性は理由を話しました。

話しを聞いて、両親は大笑いしました。

「変な気をつかわせて、悪かったな」

と、父親は男性に謝りました。

「いいえ、とんでもありません、
 いや、逆に緊張がとけて良かったです」

「おわびのしるしだ、まっ、飲んで」

と、父親はビール瓶を男性に向けました。

しかし、男性は、それを手て停止し、
おもむろに姿勢を正して言いました。

「ところで、お父さん」

「どうした、急に」

父親は、ビール瓶をテーブルに置きました。

男性は、隣にいる女性を見ました。

女性は、男性の表情を見て、軽くうなずき、
姿勢を正し正面を見ました。

男性は、フーッ、と息を吐き、静かに言いました。

「娘さんと、結婚させてください!」

その言葉を聞いて、両親は背筋を伸ばして二人を交互に眺めました。

和やかだったリビングは、一瞬の緊張に包まれました。


と、そんなことにはお構いなく、ソファーに戻ったミーコは、
前足を思いっきりのばしてから、退屈そうに丸くなって眠りました。

少しの静寂の後、リビングには笑い声を交えた、
楽しそうな会話が始まりました。


おしまい。



今回のもとのお話はコチラ

福娘童話集『 引っ張り合図 』
http://hukumusume.com/douwa/pc/jap/02/26.htm



━━━ お話はここまで ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



☆ちょこっとHappy♪☆


大変だ! と自分は思っても、実はそれほど大変じゃなかった経験、
ありませんか?

今回の物語の主人公たちのように、大変だと思って、
いろいろと準備までして挑んだのに、
実は取り越し苦労だったということが結構あったります。

今回の場合、先に両親に聞いておけば、
こんな大変な思いはしなくて済んだハズです。

実際、大変なことって、そう簡単には起きないのかもしれません。
そもそも、簡単に起きないことだから、大変なこと、なのでしょう。

そうそう起こらないから、奇跡、と呼ばれるのと同じかも。

案外、大変なことは、奇跡的にしか起こらないもの、
なのかもしれませんね。


今日のHappy♪ポイント

『 奇跡的に起こるから、大変なこと、なのかもね 』


ご意見ご感想、お待ちしています(^0^)/


2017年11月23日木曜日

三方とも一両お得?

江戸時代に争い事を仲裁する裁判官のような
仕事をしていたひとのことを

「お奉行さま」と呼んでいました。

お奉行さまは、今日も争い事を訴えてきた二人の話しに
耳を傾けました。

「すると、虎吉、おまえは財布を拾ったんだな」

「へい」

と、訴えてきた一方の男、虎吉は、地面に座り
ひょうひょうとした口調で言いました。

「あっしが道を歩いてると、財布が落ちてましてね、
 師走(12月)も近いのに財布を落とすなんて気の毒だなぁ、
 なんて思って、中を確認したら三両(江戸時代のお金)も
 入っているでね、 びっくりして、そしたら財布の中に
 住所と名前が書いてある紙があったんで、
 こりゃさぞかし困ってると思って、届けにいったんです」

フムフム、とお奉行さまは大きく頷いてから、

「して辰治、財布をわざわざ届けてもらったのに、
 なぜ受け取らぬ」

辰治は“へい”と返事をしてから、少しトゲがある口調で言いました。

「あっしの財布には間違いありませんが、落としたものは
 無くしたようなもの、金は天下の周りもの、
 最早あっしのものではありません。
 それは拾った者のもんです、だから受け取れないのです」

フムフム、とお奉行さまは大きく頷いてから、

「では、虎吉、辰治もこう言っているから、
 おまえがもらってしまえばいいではないか」

「冗談じゃありませんぜお奉行様、この虎吉、
 拾ったものを自分のものにしようなんざ、
 よこしまな気持なんて、もっておりません」

フムフム、とお奉行さまは大きく頷いてから、

「辰治、わざわざ届けてくれたのだし、
 素直に受け取ったらどうじゃ?」

「とんでもありません、わざわざ届けてくれたからこそ
 なおさら、わたしは受け取ることはできません」

フムー、とお奉行さまは渋い顔をして、
二人の顔を交互に眺めました。

「では、自分のものではないから、二人とも、
 この財布を受け取らぬと?」

虎吉と辰治は大きく頷きました。

もう一度、今度は確認するように二人の顔を交互に見たお奉行さまは、
フム、と一度大きく頷き言いました。

「では、持ち主の無いこの財布は、わしがもらう事にする」

そう言ってお奉行さまは、財布を懐の中へ入れてしまいました。

「あっ、あぁー」

と、二人がなんとも言えない声を出したので、
お奉行さまは、

「なんじゃ、わしの裁きに、不服でもあるのか?」

そう言われてしまっては、二人とも反論できずに、

「お奉行さまがそうおっしゃるなら、それで……」

と、小首をかしげたり、なんだか煮え切らない、
というような仕草をしながら、立ち上がりました。

「あぁ、ちょっと待て」

お奉行さまは帰ろうとしている二人を呼び止めました。

二人は並んで、お奉行さまの前に座り直しました。

「おまえたちのバカが付くほどの正直ぶりに、わしは感心した。
 そこでじゃ、おまえたちに褒美をあげたいのじゃが」

「はぁ~」

二人はなんとも言えぬ声を出しました。

お奉行さまは、懐から先ほどの財布を取り出すと、

「ちょうど、この中に三両ある、ここに、わしが一両足して、
 四両、これを分けて、二両ずつ、おまえたちにやろう」

「えっ!」

驚いた表情の二人に、

「気にするな、褒美じゃ、褒美」

お奉行さまは笑いながら、二両ずつ二人に手渡しました。

二両を受け取り、不思議そうな表情をしている二人に
お奉行さまは、

「落ちていた三両入った財布を、自分のものにせず、
 正直に届けた虎吉は、二両もらって一両の損。

 三両入った財布を落としたが、落とした後は、
 拾った者のものだから、と言って受け取らなかった
 辰治は、二両もらって一両の損。

 そして、そんな二人の正直さに、わしは褒美として、
 一両渡したから、一両の損。

 これでみんな仲良く、一両ずつ損して、
 丸く収めるってのはどうじゃ?」

そう言われた二人は、

「なるほど、なんか知りませんが、みんな一緒なら納得できます」

「はい、わたしも異論はございません、ただ……」

と、辰治が言うので、お奉行さまは、

「ただなんじゃ?」

「はい、この方法では、お金をもらえないお奉行さまは、
 大損ではないかと」

「あ、確かに!」

と、虎吉が声を上げました。

二人の顔を見て、お奉行さまはニッコリ笑顔で言いました。

「おまえたちは、ほんとイイ奴じゃなぁ」

そして、いたずらっぽい笑いを浮かべて、お奉行さまは、
二人に顔を寄せて、小さな声で言いました。

「安心せい、お前たちを裁くことで、わしはお上から、
 三両の給料をもらえるのじゃ」

それを聞いた二人は、

「おおぉ、それならお奉行さまも一両損じゃ」

「あっぱれ、見事な御裁きだ」

と、喜びました。

「それではこのご褒美、ありがたく頂戴しやす」

それぞれ二両を両手で高らかに持ち上げ、
深々と頭を下げて帰っていきました。

二人が帰ったあと、お奉行さまの側で一部始終を見ていた
立会人の若い男の人が、お奉行さまに近寄って来ました。

「お奉行さま、見事な裁きでしたが、
 これは危険な裁きではありませんか?」

「危険とな?」

「はい、この裁きが世間に広まって、
 もし悪だくみを考えた奴が、儲けようとウソをついて
 三両持って二人組でやって来たらどうするんです?」

お奉行さまは笑いながら言いました。

「そしたら、今度は、三人とも得とでもするかのぉ」

「三人とも得?」

「そうじゃ、三両を、一両ずつ分けて、三人とも得とするのじゃ」

「はて」

と、若い男の人は少し考えてから、

「なるほど、一両ずつもらえて得なようですが、
 三両持って来て、一両ずつでは、儲けがでませんね」

「そうだな」

「いい考えだと思いますが、お奉行さまがもらった一両は
 どうなさるおつもりで?」

という若い男の人の素朴な問いに、

「さぁ~、」

お奉行さまはとぼけた表情をして、

「それは、その時になったら考えるかの~」

そう言い残し、そそくさと奥へ歩いて行ってしまいました。

お奉行さまの後ろ姿を見ながら、若い男の人は、
フフフ、と笑みを浮かべました。


おしまい。



今回のもとのお話はコチラ

福娘童話集『 拾った財布 』
http://hukumusume.com/douwa/pc/jap/02/23.htm



━━━ お話はここまで ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



☆ちょこっとHappy♪☆


有名な大岡裁きです。

ちょこっと創作してみました。

こんなとぼけたお奉行さまがいたら楽しいかなぁ~
と思います。

あまり、規則だとかルールに縛られ過ぎずに、
いつも大らかでいられるとイイですね。

有能な人が、もっと裁量を発揮できるような社会になれば
悩む人は少なくなるし、助かる人も多くなるのではないでしょうか?

管理社会は一見合理的に思えますが、
歪も多そうだと、本当は、みんなが気づいています。

でも、みんな素直に気付いていることを表に出そうとしない。

楽ですからね。

管理すること、されることに慣れちゃうと。

でも、歪は溜まっていく一方。

そんなときに、この物語のお奉行さまのように、
その場に合わせた裁量を発揮してくれる人がいると、
ガス抜きになって、いいのになぁ、と思います。

ルールや規則にがんじがらめにならないで、
たまには、自分の気持ちに素直になって動いてみるのも
必要なのかもしれません。


今日のHappy♪ポイント

『 目くじら立てずに、大らかに 』


ご意見ご感想、お待ちしています(^0^)/


2017年11月20日月曜日

【日記】常識なんて曖昧なもの

11月15日に更新した『命の恩カエル』のもとのお話、

福娘童話集の「近所に住む2匹のカエル」では、

水たまりから動こうとしないカエルが、
馬車にひかれて死んでしまいます。

その物語の教訓として

「自分の仕事がつまらないと思いながら、
 新しいところへ行く勇気のない人は結局損をするのです」

と書かれています。

日本人の常識では、仕事を長く続けることは良いこととされています。
しかし、イソップは、それでは損をしますよ、と言っています。

イソップの場合は “つまらない仕事” に限って
言っているのかもしれませんが、日本人は、
つまらなくても仕事とはそういうもんだと思って続けろ、
と言います。

ちょっとおもしろいですね。

どっちがイイかはオイトイテ。

わたしたちが思っている『常識』って、
実は曖昧なものかもしれません。

例えば、同じ日本人でも、就職氷河期に入社したひとなら、
イソップの教訓は心に響かないかもしれません。

しかし、転職ブームと言われた「バブル期」の日本人なら、
共感するひとのほうが多かったことでしょう。

歴史をさかのぼり、例えば太平洋戦争終戦直後の日本人なら、
辛くても仕事があるだけ幸せ、と思うことが常識。

江戸時代の日本人なら、生まれた瞬間から、
将来どんな仕事をするのか、ほぼ決まっているのが常識です。

今回は、仕事のことに絞って書いてみましたが、
他のことでも常識なんて、その時々の環境で
大きく変わるものなのだと思います。

あなたが『常識だ』って思っていることも、
本当に常識なのか、調べてみるといいかもしれませんね。

因みに、わたしは“歯”を見るのが苦手です。
自分の歯はいいですが、他人の歯を見るのが嫌いです。
なんか、気持ち悪いんですよね。

歯、とググってみたことはありませんが、
出てくる画像一覧を見たら気絶してしまうかも知れません。

それほど歯を見るのが嫌いなわたしですが、
ほとんどのみなさんは、歯を見ても平気なんだ、
なんとも思わないんだ、と、つい最近知りました。

ホント、つい最近です。

だって、別に日常生活していて、歯を見るのが平気か苦手か、
なんて、なかなか話題にあがるもんじゃないですから。

そんな訳で、長年にわたってわたしの常識だった、
みんな歯を気持ち悪いと思っている、というのは、
間違いだったのです。

こんなこと、本当は、もっとたくさんあるのかもしれません。

常識とは当たり前のこと。

わたしが歯の話を誰ともしなかったように、
特に確認せずに、気づかないところで間違った常識が
何気ない顔をして存在しているのかも知れません。

その常識、ホント?

2017年11月18日土曜日

ぽっかぽか火の用心

北風が冬の訪れを知らせてくれる寒い夜。

「火のよーじん カチカチ」

近所の子どもたちが集まって何人かの大人と一緒に、
拍子木をカチカチ鳴らし、火の取扱いには気を付けよう!
と呼びかけながら街を歩いていました。

「マッチ1本火事のもと カチカチ」

子どもたちは白い息を吐きながら大きな声を上げました。

夕飯の時間帯です。

街を歩いていると、あちらこちらからいい匂いが漂ってきます。

「あ、魚の匂いがする」

「コレ、絶対、野菜炒めだよ」

「カレーだ」

「うん、カレーだ」

「あー、カレー食べたくなった!」

子どもたちにとってのカレーの匂いの影響はすさまじく、
すっかり火の用心どころではなくなってしまいました。

付き添いの大人は笑顔で、

「カレーは分かったから、火の用心の声出し忘れないで」

そう言われても、カレーに気をとられた子どもたちは、

「ひ、ひ、火のよーじん、カチ、カチ」

と、声はバラバラです。

「マッ、チ、1本火事のもと~ カチカチ」

なんとも力の抜けた子どもたちの声が街に響き渡りました。

そんな時に、

「ごくろうさま~ぁ」

子どもたちに声をかける大人がいました。

この辺では有名な会社の社長さんの家で、
世話好きでも有名な奥さんが子どもたちを呼び止めました。

「おいしいおしるこがあるから、食べていきなぁ」

道路とお屋敷の門の間に広いスペースが空いていて、
そこに置かれたテーブルの上に、何個かお椀が並んでいました。

子どもたちは近寄っていくと、甘い香りがしました。

お椀の中には丸くて白いおもちが見え、
小豆色したつゆからは美味しそうな湯気が上っています。

「わーぁっ、」

子どもたちの表情はみるみる輝きを増していきました。

「寒かったろう、さぁ、お食べ」

「いっただきまーす!!」

子どもたちは白い息を吐きながらそういうと、
一斉に、お箸とお椀を取り、すぐさま口に運びました。

「アチチチチッ」

「慌てるなぁ~」

付き添いの大人たちがそう促しました。

「おいし~ぃ」

「あったまる~ぅ」

「しみるね~ぇ」

と、子どもたちはそれぞれの感想を言いました。

「おかわりもあるからねぇ!」

「イエーイ!!」

と、喜ぶ子どもたちの表情を見て、
世話好きの奥さんは目を細めました。

すると、1人の女の子が言いました。

「ほんと、寒かったから、うれしいです」

「ほんとほんと、ちょうど腹減ってたから最高だよ」

子どもたちが次々話し始めました。

「おばさん、ありがとう」

「おばさん、いい人ですね」

子どもたちの素直な一言に、
世話好きの奥さんはちょっと苦笑いしながら、

「ありがとう」

と、言いました。

そして、しばらくの間、子どもたちはそれぞれ好きなように、
おしるこを食べていました。

「そうだ、おばさん、おしるこのお礼に」

1人の男の子が言いました。

「おばさんの家だけ、火の用心は大目にみるよ」

「え?」

世話好きの奥さんはビックリしました。

「そうだそうだ、おばさんいい人だから、火の用心はしなくてイイよ」

別の男の子もそう言うので、奥さんはおもしろくて仕方ありません。

すると付き添っていた大人も笑顔になりながら、

「おいおい、お礼したいのは分かるけど、
 火の用心を大目に見てもお礼にはならないだろう!」

「えーぇ、そうなのぉ?」

男の子はとぼけた声を上げました。

「じゃぁさぁ」

今度は別の男の子が言いました。

「マッチ、3本くらいまで大目にみるよ!」

「えーっ!」

奥さんは驚きながら大笑い。

すかさず女の子が、

「バッカじゃないの、マッチ3本も使っちゃったら、
 大火事になっちゃうよ」

「そっか、──ってバカはねぇだろ!」

と、小競り合いが始まりそうだったので、付き添いの大人が、

「はーい、それではみんな、お椀とお箸をおいて、
 奥さんにお礼を言って出発しましょう」

おしるこがまだお椀に残っていた子は、慌てて口に入れ、
お椀とお箸をテーブルに乗せてから、

「ありがとう」

「おいしかったです」

「温まりました」

と、それぞれお礼を言いました。

中にはハイタッチをする子もいました。

「ハイ、がんばってね」

奥さんは1人1人と挨拶を交わしました。

最後に、付き添いの大人が、

「おかげで温まりました」

と、声をかけると、

「わたしの気持ちの方が、ポカポカしてきましたよ」

とニコニコ笑顔で言いました。

それからすぐに、子どもたちの声が上がりました。

「火のよーじん! カチカチ
 マッチ一本火事のもと! カチカチ」

先ほどよりも熱をおびた子どもたちの声が、
夜の街に響き渡りました。

「火のよーじん!! カチカチ!」


おしまい。



今回のもとのお話はコチラ

福娘童話集『 ほどほどに 』
http://hukumusume.com/douwa/pc/kobanashi/02/04.htm



━━━ お話はここまで ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



☆ちょこっとHappy♪☆


もとのお話を現代の子どもに変えて作ってみました。

子どもって、自由に発言しますよね。
相手の気持ちなんて“忖度”しないから、
結構、言われた通りに受けると、傷ついたり、
イラッと来たりします。

当然、大人として、子どもに今の気持ちをそのまま伝えるもの
大切なことだと思います。

でも、子どもが言った何気ない言葉に対して、
全否定するようなことは言わない方がいいそうなんです。

何気なく言った言葉を否定された経験が多い子ども程、
自己肯定感の低い大人になる傾向があるというのです。

子どもに対して、注意をすること、叱ることは大事ですが、
その時、否定しないことが重要のようです。

「あなたはそう思うのね、でも、私はこう思うよ」

と、一旦、子どもが言ったことを受け止めてから、
否定的な言葉を自分の考えとして伝えるようにする。

そうすると、同じことを言われても否定されたと
捉え難くなるのだそうです。

これは、子どもに対してだけじゃなく、大人同士でもそうです。

受け止めることは「認める」ということです。
認めたからと言って、相手の発言に同意した訳ではありません。
そういう意見なのね、と相手の発言を認めただけです。

ちゃんと相手を認めた上で違う意見を言う。

円滑な人間関係に、
こういうコミュニケーションって大事だと思います。


今日のHappy♪ポイント

『 まず相手を認める 』


ご意見ご感想、お待ちしています(^0^)/


2017年11月15日水曜日

命の恩カエル

とある街の外れ。

そこには大きな池があり、1匹のカエルが住んでいました。

その日は朝から雨が降っていましたが、
午後になってあがり、お日様が顔をだしました。

池に住むカエルは、雨をしのいでいた大きな葉っぱの下から
外に出ました。

木々や地面の草についた水滴が、お日様の光を浴びて
キラキラと光っています。

カエルは眩しくて目を細めました。

「キレイな景色だなぁ~」

カエルがキラキラした景色を、ボーっと、ながめていると、
街道のほうを、1匹のカエルが、ぴょんぴょん、
と、はねて移動しているのが見えました。

「あれぇ、見かけない顔だなぁ」

移動しているカエルは、街道沿いにある水たまりに入ると、
はねるのをやめました。

「さっきの雨でできた水たまりに入って、
 なにしてるんだろぉ」

移動して来たカエルは、水たまりに止まったまま
動き出しません。

池のカエルは気になって、ぴょんぴょんとはねて、
水たまりの方へ向かいました。

そして「こんにちは」と挨拶をしてから訪ねました。

「そんな水たまりでなにやっているの?」

水たまりにいるカエルは、笑顔で池のカエルに言いました。

「なんだか、居心地がいいから、ここに住んじゃおうかなぁ、
 って、思ってたところです」

池のカエルはビックリして言いました。

「住んじゃうって、そこはさっきの雨でできた水たまりだよ、
 すぐに水がなくなっちゃうし、車が通ったら、
 ひかれちゃうかもしれないよ!」

「えー! ただの水たまり!!
 居心地よかったのにガッカリです」

水たまりのカエルはショボンとしてしまいました。

「気を落とすことは無いよ!
 ボクが住んでる池に来るとイイよ!」

池のカエルは元気に言いました。

「え、一緒に住んでもイイんですか?」

「うん、ボク1匹じゃ、広くて困ってたんだ、
 ちょうど良かったよ」

「そうなんですかぁ、それなら、お言葉に甘えちゃおうっかな」

と、水たまりのカエルは、ぴょーん、とはねて、
外に出ました。

2匹は、ぴょんぴょんと、池に向かってはねました。

池のカエルが先を行き、水たまりのカエルがあとに続きます。

ぴょん、ぴょん、ぴょん、ぴょん、

と、しばらく進んだとき、

“ガシャガシャガシャ”

後ろの方で大きな音が聞えててきました。

2匹は跳ねるのをやめて振り返りました。

それは街道を走る馬車の音でした。

馬車は、勢いよく走ってくると、先ほどいた水たまりの上を

“バシャ―ン!!”

と水しぶきを上げながら通り過ぎていきました。

2匹のカエルはビックリしました。

水たまりのカエルがさっきまでいた、
まさにその真上を馬車が通っていったので、
水たまりのカエルは驚きのあまり、
“ブルブル”っと体を震わしました。

水たまりのカエルは、池のカエルに向かって言いました。

「ありがとうございます。あのままいたら、わたしは今頃、
 死んでいたかもしれません。あなたはわたしの命の恩人です」

「いやぁ、そんな大げさなぁ」

池のカエルは照れながらそう言いました。

その後2匹は、また、ぴょんぴょんとはねて、池にやってきました。

「うわーぁ、広い!」

水たまりのカエルは目を輝かせて感激しました。

「本当に、わたしも住んでもイイんですか」

「もちろん、一緒に住みましょう」

「夢のようです! なにからなにまで、本当にありがとう」

水たまりのカエルが丁寧にお礼を言うと、
池のカエルは照れ笑いを浮かべました。

それはら2匹は仲良く暮らしました。

そんなある日のことです。

昨日まで2日間雨が続いていました。

2匹のカエルは、それぞれ、大きな葉っぱの下で、
雨をしのいで過ごしていました。

今朝も雨が降っていましたが、段々、雨が弱まり、
やっと葉っぱの外に出れるようになりました。

「いやぁ、ずっと降ってたね」

池のカエルが水たまりのカエルに話しかけました。

「はい、ずっと葉っぱの下にいたので、たいくつでした」

「雨がやんだから、もうちょっとで、お日様が出てくるよ。
 そしたらね、この辺、すごくキレイな景色になるんだよ」

「えっ、本当ですか! 楽しみです」

と、2匹は雨上がりの気持ちよさも手伝って、
のん気に話しをしていました。

その時、どこからとともなく、音が聞こえてきました。

“ドドドドドドドドドド”

「なんですか? この音」

水たまりのカエルが聞きましたが、池のカエルは首をひねって、

「なんだろう? 聞いたことない音だ」

“ドドドドドドドドドドドドドーーー”

だんだん音が大きくなって来ます。

2匹は、音に耳を傾けて、身を構えていると、

“ザザザザザザザザザーーーッ!!!!”

突然、大量の水が池に流れ込んできました。

「うわぁ!」

2匹はあっという間に、水にのまれてしまいました。

水たまりのカエルは、たまたま地面からのびている葉っぱに
しがみつくことができ、陸に上がることができました。

すぐに池のカエルを探しました。

陸の上から周りを見渡すと、
池の中はどこからか流れてきた水と木の枝や草で
めちゃくちゃになっていました。

キョロキョロと見ていると、少し進んだところに、
池のカエルがいました。

激しく流れる水に抵抗するかのように、池の底の方から
一本の折れた木の枝が伸びていて、そこに池のカエルが
必死にしがみついていました。

水たまりのカエルは近くまで行くと、
池に落ちないように足を踏ん張り、
片方の前足を大きく伸ばして、大声を上げました。

「わたしの手に捕まって!!」

木の枝にしがみついている池のカエルはその声に気が付き、
前足を思いっきり伸ばしてきました。

あと少しで、2匹の前足は届きそうです。

その時、池のカエルがバランスを崩し、
激しく流れる池に体が取られました。

しかし、後足でなんとか踏ん張り態勢を整えました。

「だいじょーぶ?」

「うん!」

2匹の間には、木の枝や草が、ごちゃ混ぜになって流れて行きます。

水たまりのカエルは、もう一度足を踏ん張り直して、
前足を伸ばしました。

池のカエルも思いっきり前足を伸ばすと、
今度は、2匹の足はがっちりと触れ合いました。

水たまりのカエルは全身に力を入れて、
おもっきり引っぱります。

池のカエルは、枝を離し、
激しく流れている池に飛び込みました。

水たまりのカエルは前足をギュッと握りしめ、
力を込めて、陸に倒れ込むように引っ張り上げ、
池のカエルは陸に上がることができました。

ぜーぇ、ぜーぇ、

2匹は陸の上で並び、苦しそうに息をしました。

ぜーぇ、ぜーぇ、

しばらくして息が整ってくると、池のカエルが言いました。

「ありがとう、助かったよ」

「よかった」

と、水たまりのカエルは笑顔で言ったあと、

「やっと、恩返しができました」

「恩返し?」

池のカエルがキョトン、とした表情をすると、
水たまりのカエルは、

「わたしはあなたに、命を助けられていますから」

笑顔でそう言う水たまりのカエルに、池のカエルは、

「あなたと、一緒に住んで、本当によかった」

「わたしもです!」

池は、まだまだ激しくめちゃくちゃに流れていましたが、
空は明るくなり、やがてお日様が顔を出し、辺りを照らしました。

「キレーイ!!」

2匹は、自分たちが生き延びたことを実感しながら、
キラキラした景色を、しばらくながめていました。


おしまい。



今回のもとのお話はコチラ

福娘童話集『 近所に住む2匹のカエル 』
http://hukumusume.com/douwa/pc/aesop/02/04.htm



━━━ お話はここまで ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



☆ちょこっとHappy♪☆


大変なことが起きたとき、って慌ててしまいませんか?

わたしなんて、びっくりして、息が詰まって頭の中が真っ白になって、
なにをしていいのか分からなくてあたふたしてしまいます。

大変なことが起きたとき、的確に行動できる人って、
どんな人だかご存知ですか?

・頭の回転が速い人

・気の強い人

・大変な状況に慣れている人

この3つのタイプなら『大変な状況に慣れている人』が
圧倒的に的確に行動できます。

上2つのタイプの人も的確に行動できそうな気がしますが、
確実に動けるかどうかは、その人しだいのところがあります。

でも、大変な状況に慣れている人は、
間違いなく的確に行動できます。

それはなぜか?

大変なことに慣れているので、驚くことも少なく、
慌てたとしても、慣れているので、すぐに平常心に戻れます。

頭の回転が速くても、気が強くても、
驚いたり、慌てている状態では、的確な判断はできません。

平常心、つまり「平常な心」の状態の人は、
ゼロ(平常)から行動に移せるので、
より的確に行動できるのです。

大変なことが起きても、平常心でいられるように、
あなたも日ごろから、平常心を保てるように意識して、
生活してみるとイイかも知れませんね。


今日のHappy♪ポイント

『常に平常心でいられる自分を目指す!』


ご意見ご感想、お待ちしています(^0^)/


2017年11月14日火曜日

【日記】ポジティブに捉えよう、って言われても……

世の中の現象、ってすべて同じことが起きているんです。

例えば、屋外で大勢の人がいるところで雨が降っていたとしたら、
自分も雨が降っているところにいるし、隣にいる人や
周りの人のところにも雨は同じように降っています。

それを文章で簡単に表現すると、

屋外で大勢の人がいるところに雨が降っている、

になります。

でも、その雨の中にいる大勢の人、1人1人に訪ねると、
ある人は、濡れるのがイヤ、と思っていたり、
ある人は、涼しくなって気持ちイイ、と思っていたり

別の人は、カサ忘れた、ツイてない、と舌うちしていたり、
別の人は、可愛いカサ買いに行ける! と喜んでいたりします。

同じ現象なのに、捉え方はバラバラです。

自己啓発書などには、こんなフレーズがよく出てきます。

“ようは、捉え方次第”

“ポジティブに捉えましょう”

屋外で雨が降って来て、ポジティブに捉えるなんて、
なかなか難しいなぁ、と思っちゃいます。

それに、なんでもかんでもポジティブに! となると、
なんか逆にストレスが溜まります。

そうは思いませんか?

そこで、です。

ポジティブとかネガティブとかでなく、
ツイてる、ツイてない、でもなく、

ちょっといったん立ち止まって考えてみるのはどうでしょう。

さきほども書きましたが、実は、ただ単に、

屋外で大勢の人がいるところに雨が降っている、

だけなのです。

それは、ツイていることでも、
ツイてないことでもなく、

気象現象、です。

あなたのツキや運は、気象現象と関係ないんです。

関係があるのなら、間違いなく!

あなたは神さまです。

あなたが神さまではないのなら、嘆いたり、喜んだりする前に、
現状を踏まえて、今できるベストのことを始めてみませんか?

ベストが無理なら、ベターなことでもかまいません。

そうすると、状況はひとりでに、ちょっとだけ、
ポジティブな方向へ進むとは思いませんか?

なにかが起きたら、感情で捉えないで

(感情が出てきてもちょっと立ち止まって)

状況としてとらえて、その時できるベストな行動をとってみる。

これをするだけでも、イヤな気分を味わうことなく、
無理せず、ポジティブな方向へ進めると思いますよ。

2017年11月12日日曜日

イルカと白ウサギ[中編]

[前編]はこちらからどうぞ


「どうしよう、帰れないよ~」

まだ子どもの白ウサギは、何匹ものサメが泳いでいる海を眺めて
ぶるぶると震えていました。

サメはときおり水から顔を出して、白ウサギを眺めて、

「いつ飛び込んでもいいんだぜ」

と、不敵な笑みを浮かべています。

白ウサギは怖くてぶるぶる震えながら落ち着きなく、
海を泳いでいるサメを見たり、元々いた島を見たりしました。

しかし、どうにもならなそうです。

しかたなく白ウサギは振り向きました。

島には緑に覆われた少し小高い丘がありました。

白ウサギは、もう一度サメのいる海を眺めてから、きびすを返すと、
サメのいる海から離れ、丘に向かって歩き出しました。

丘に生えている草木の背は低いので、
震えて足取りのおぼつかない白ウサギでも歩くことができました。

そしてなんとか丘の頂上までやってきました。

すると、目の前に一面の青い色が飛び込んできました。

「うわぁー」

丘を緩やかに下っていった先の海岸から、真っ青な海がずーっと、先、
どこまでもどこまでも続いていき、やがて空とくっついています。

「こんな海、見たことないや~」

今まで白ウサギの見ていた海は、すぐ向う側に島がある、
とても狭い景色でした。

その狭い海をサメの背中に乗って渡り島にたどり着き、
丘を登り目にしたものは、果てしなく広がる海の景色でした。

白ウサギは、海の広さに圧倒され、ゆっくりと首を左から右、
右から左へと動かし、ボーっと眺めていました。

「あっ、のんびりしている場合じゃなかった! なんとかしなきゃ」

白ウサギはとりあえず丘を下りて海岸に近づきました。

そして、どこまでも続く青い海をゆっくりと眺めながら、
この島から出るいい方法は無いかとを考えました。

しかし、なにもいい方法が浮かびませんでした。

途方にくれながら、ぼんやりと海を眺めていると、
海面になにかが見えたような気がしました。

白ウサギは目をこらすと、海面でなにかが動いています。

背びれです。

「あ、サメだ!」

白ウサギはドキリとなり、寒気が全身を覆いました。

しかし、次の瞬間、背びれは上に上がってきて、
同時に丸っこいものが上って来たと思うと、

プシュー、

っと、水を吐き出して、また、海の中へ入っていきました。

「ん?」

白ウサギは首をかしげました。

(サメ、ってあんな感じだっけ?)

白ウサギがずっと見ていると、また背びれが現れました。

そして、また、プシュー、と水を吐き出して潜っていきました。

しばらくすると、また背びれが見えました。

今度は、プシュー、とはせずに、
だんだん白ウサギに近づいてきました。

白ウサギはちょっと怖い感じもしましたが、
ジッと前足を揃えてお座りをした姿勢で、
背びれの動きを目で追っていました。

すると、

バサーッ、

と、白ウサギの前でそいつは顔を出しました。

そして、白ウサギと目が合うと同時に、

「うわぁっ! ビックリした!!!」

と、驚きの声を上げました。

海から顔を突然出して、勝手に驚きの声を上げたあと、
そいつは矢継ぎ早に白ウサギに質問あびせてきました。

「誰だい、君は? なんでそんなところにいるんだい? 
 それより、なんでそんなに白いんだい?」

あっけに取られている白ウサギは、ぼそっと、

「ボクは白ウサギ、君は?」

「ボクはイルカだよ、知らないの?」

「うん、初めまして」

「海の人気者、イルカだよ!」

「知らなーい」

白ウサギは冷たく言うと、
イルカはシュンと力なく海に顔を沈めました。

それから、くるっと、海の中を泳いで、
もう一度、白ウサギの前に顔を出しました。

「君、見かけない顔だけど、こんなところでなにしてるの?」

と、質問好きなイルカに、白ウサギは
前足を揃えてお座りをした姿勢で言いました。

「あなた、イイ奴?」

「えっ」

イルカは目をまん丸にした表情で、

「イルカは、イイ奴に決まってるよ」

「そうなの?」

「そうなの、って、白ウサギさん、君はおもしろいね」

そう言ってイルカは、クケケケケケケ、と笑いました。

イルカが楽しそうに笑っている姿を見て、
白ウサギは少し安心しました。

そして、

「帰れなくなっちゃったの。話し聞いてくれる?」

と、肩を落としながら言いました。

「うん、きくきく」

イルカは何度もうなずきました。

白ウサギはどうしてこの場所にいるか訳を話しました。

話を聞き終えたイルカは軽い口調で言いました。

「そうか分かった、じゃぁボクが向うの島に連れてってあげるよ」

「えっ、でもサメいるよ」

「大丈夫だよ、ボクの泳ぎの速さに、サメなんてついて来れないよ」

と言ったあと、イルカは、見てて、と言って右へ泳ぎ、
すぐにターンして左へ行き、しばらくしてまたターンして、
白ウサギの前まで来ると、ピューン! とジャンプしました。

“バシャーン!!”

イルカが海に入ると、水しぶきが上ったので、
白ウサギは慌てて逃げました。

「どう、すごいでしょ!」

と、得意げに話すイルカに、
白ウサギは、スゴイのかどうか良く分からなかったのですが、

「うん、スゴイと思う」

と、返事をしました。

イルカは嬉しそうに、体の半分くらいを海から出して、

「クケケケケケケ」

高らかに笑い声を上げました。

あっけに取られている白ウサギにイルカは、

「じゃ、ボクの背中に乗って!」

と、体を海岸に対して横を向けて、白ウサギが乗りやすいように
背中を向けました。

白ウサギは、

(ほんとうに大丈夫かなぁ……)

と、ちょっと不安もありましたが、それよりも、
イルカの背中に乗ってみたら楽しそう、との思いが強く、

「じゃ、乗るよ」

ピョン、と軽やかにジャンプしてイルカの背中に乗りました。

「背びれにつかまって」

イルカがそう言うので、白ウサギは背びれにさわりました。

イルカの背びれは、ヌルっとした感触で、
すべりそうだったので、抱きしめることにました。

「じゃっ、しゅっぱーつ!!」

イルカは物凄い勢いで泳ぎ始めました。

白ウサギはバランスをとるので精一杯、振り落とされないように、
必死に背びれにしがみつきました。

「ヤッホー!」

イルカは激しくカーブを曲がります。

白ウサギは激しく上がった水しぶきをもろにあび、
しょっぱい海の水を飲み込んでしまいました。

イルカはそんなことにもお構いなしに、
スピードを上げて泳いでいます。

そのうち、白ウサギも段々イルカのスピードになれて来て、
周りを見る余裕が出てきました。

水しぶきを巻き上げながら、海の上をすべるように移動しています。

塩っ辛い水しぶきは全身に浴びせられていましたが、
同時に、気持ちのいい風を全身に浴び、白い毛も激しく揺れ、
とても爽快な気分になってきました。

「イルカさん、サイコー!」

「ヘヘヘーイ!」

イルカもおおはしゃぎです。

そうこうしていると、白ウサギが元々住んでいた島が
前方に見えてきました。

このまま行ったら、あっという間に島にたどり着きそうです。

(よかった、帰れる!)

そう、白ウサギは思いました。

と、その時です、

「コラーッ、どこ行くんだ!」

と、右かわから激しくサメがイルカめがけて突進してきました。

白ウサギは、ギョ、としましたが、

「おっと危ない!」

イルカは華麗に身を翻し、サメの突進をかわしました。

すると今度は左側から別のサメが襲い掛かって来ました。

「うわわ、」

イルカは間一髪かわすと、スピードを上げて泳ぎました。

かわされたサメたちは、イルカを追いかけてきますが、
イルカはどんどん差を広げていきます。

「スゴイよ、イルカさん!」

「でしょ!」

イルカは得意げに言ったその時、
目の前から二匹のサメが同時に襲ってきました。

慌てて、別の方向を向いてかわそうとしましたが、
向いた方向にはまたサメがいました。

イルカはさらに方向を変えましたが、そちらにもサメがいます。

気付くと、どちらも向いてもサメがいて、ゆうゆうと泳いでいました。

白ウサギを乗せたイルカは、いつの間にかに
サメたちにすっかり囲まれてしまいました。

イルカは、大きな声を上げました。

「ヒュルルルルルルルルル」

「どうしよう、イルカさん」

「ヒュルルルルルルルルル」

イルカの声が大きいので、白ウサギは大きな耳を手でおおいながら、
体を小さくして震えました。


───つづく

イルカと白ウサギ[後編]

[中編]はこちらからどうぞ


「ヒュルルルルルルルルル」

イルカは大きな声を上げて、サメを威嚇しました。

しかし、サメたちはまったく動じず、イルカの周りを泳いでいます。

子どもの白ウサギは、イルカの背中でぶるぶると震えています。

「フフフフ、イルカに乗って逃げるとは、考えたなボウズ」

と白ウサギに騙されたサメが、近づいてきて言いました。

「近寄るな!」

と、イルカが叫びました。

サメは少し近づいて、白ウサギを睨みながら周りを泳いでいます。

白ウサギは体を震わせながら、考えていました。

(このままでは、食べられてしまう、イルカさんもボクも……)

「どうしたボウズ、怖くてなにも言えねぇか」

白ウサギに騙されたサメが、ギョロリと白ウサギに目を向けて、
鋭い歯をむき出しながら笑っています。

「近寄るな、って言ってるだろ!」

とイルカは叫びながら、なるべくサメから離れるように
泳いでいます。

しかし、周りはサメに囲まれているので、
スピードを上げて、自由に泳ぐことはできません。

白ウサギは、イルカの背びれにしがみついて、
目をギュッとつむりました。

(ボクが悪いんだ、ボクがサメさんをだまして、
 イルカさんまで巻き込んで、全部、ボクが悪いんだ、
 全部……)

白ウサギは目を見開きました。

そして体を震わしながらも、サメに向かって大声で叫びました。

「サメさん、ゴメンナサイ、悪いのは全部ボクです。
 イルカさんは関係ありません。イルカさんを逃がしてください」

サメは不敵な笑みを浮かべて。

「おっと、そうとも」

と同意してみせてから、イルカに向かって言いました。

「イルカの小僧、おまえには関係ない話だ、
 その背中にいるうすぎたねぇウサギを、
 今すぐ海の中へ突き落せ、そしたら見逃してやる」

イルカはすぐに言い返しました。

「冗談じゃないよ、友だちを裏切る訳にはいかないね」

「おうおう、泣かせるじゃねぇか、
 なぁ、おまえらもそう思うだろう」

騙されたサメは、他のサメたちに同意を求めました。

それに応えるように、サメたちは不敵な笑いを巻き起こしました。

騙されたサメは、今度は白ウサギに話しかけます。

「ボウズ、どうする、イルカはおまえを見放さないとよ、
 それだったら、一緒に始末するしかねぇなぁ」

白ウサギは、唾をゴクリと飲みました。

サメはさらに続けます。

「それとも、ボウズ、おまえがその手を放して、
 海に飛び込めば、状況は変わるかもしれないぜぇ」

白ウサギは、目を見開きサメを見ました。

サメは不敵な表情で見ています。

白ウサギは思いました。

(そうだ、ボクが飛び込めば、イルカさんは助かるんだ)

「ダメだ!」

イルカが大きな声を上げました。

「ダメだウサギさん、飛び込んじゃダメだ!」

その声は白ウサギにもちゃんと聞こえました。

しかし、イルカを助けたいとの思いが
白ウサギの頭に中にはありました。

(全部、ボクが悪いんだ、考えなしにサメさんをだまして、
 考えなしにイルカさんを巻き込んで……)

「ダメだウサギさん、ボクがなんとかするから、
 そこにいて、ボクの背びれを離さないで!」

「ありがとうイルカさん、ほんのちょっとだったけど、
 君の背中に乗って、海を泳げてとても楽しかったよ」

「うん、ボクも楽しかった。だからまた一緒に遊ぼうよ」

「───うん、また、遊ぼうね」

と、白ウサギは静かに言ったあと、
背びれを掴んでいた手の力を抜きました。

「イルカくん、ありがとう」

白ウサギは海の中へ飛び込みました。

“バシャーン”

「ウサギさーん!!!」

イルカが大きな声を上げました。

サメは、ニターっと歯をむき出しにして、
下品な表情で笑いました。

そして、ゆっくりと白ウサギの飛び込んだ方向へ
泳いでいきました。

泳ぎながらサメは、ふと、周囲の異変に気付きました。

イルカを囲んでいたサメたちが何かソワソワ慌てています。

「どうした?」

サメが問いかけても、反応もなく、一匹、二匹と、
次々と逃げて行くように泳いで行ってしまいます。

サメは慌てました。
そして一瞬のスキをみせました。

イルカはそれを見逃さずに、すぐさま体を翻し、
白ウサギの方へ潜っていき、海中にいた白ウサギを口にくわえました。

「このやろう! かってなことを!」

サメはイルカにおそいかかろうとしました。

その時です。

イルカにおそいかかろうとしていたサメに、
激しくなにかがぶつかりました。

始めは右から、すぐに左から、そして右、次に左から、
わけも分からず何回も何回も衝撃をくわえられ、
とうとうサメは耐えきれなくなって、フラフラになりながら、
その場を去っていきました。


──────。

白ウサギは真っ白いお日様の光で目を覚ましました。

「ここは天国かなぁ?」

なんて、とぼけたことを言うと、

「あ、気づいた! みんなー気づいたよ!!」

という声が聞こえました。

白ウサギは立ち上がって、周りを眺めました。

すると、たくさんのイルカが自分の方を見ていました。

「ウサギさん、気づいてよかった」

声の方に目を向けると、島で出合ったイルカの顔が
背びれ越しに見えました。

イルカの背中に乗っていることに白ウサギは気付きました。

イルカは言いました。

「みんなが助けに来てくれたんだよ」

サメを威嚇する為に上げた大きな声を聞いて、
たくさんのイルカたちが助けにやって来たのです。

白ウサギは、周りを見渡しました。

数えきれないくらいのイルカが、
白ウサギを、興味深々、といった表情で見つめていました。

そんなイルカたちの無邪気な表情を見て、
白ウサギは涙をぽろぽろとこぼしながら言いました。

「みなさん、ありがとう……、ありがとう」

すると、一頭のイルカが言いました。

「オレたちイルカはサメと違って、仲間は助ける!
 これが当たりまえさっ!」

そうだ! そうだ! と周りから声が上がりました。

白ウサギは涙を流しながら言いました。

「でも、ボクは、みなさんの大切な仲間のイルカさんを巻き込んで、
 危ないめに合わせて、ボクは、ボクはひどい奴です」

そう言ってうなだれる白ウサギに、一頭のイルカが近寄って来て、
優しい表情で言いました。

「いいえ、あなたは決して、ひどい奴なんかではありません。
 聞きましたよ」

「へ?」

白ウサギは近寄って来たイルカを見つめました。

イルカは包み込むようなまなざしで、白ウサギに言いました。

「自分が海に飛び込むことで、私の息子を、
 サメから助けようとしてくれたそうですね」

白ウサギは、ポカンと、イルカの言葉を聞いていました。

「白ウサギさん、息子を守ってくれて、ありがとう」

そんな言葉を投げかけられ、白ウサギは、
いろんな感情と安心が、ごちゃ混ぜになってしまい、
イルカの背中の上で、大勢のイルカに見守られながら、
大きな声を上げて、ぼろぼろと涙を流して、
おもいっきり泣きました。


おしまい。



今回のもとのお話はコチラ

福娘童話集『 因幡(いなば)の白ウサギ 』
http://hukumusume.com/douwa/pc/jap/02/01.htm



━━━ お話はここまで ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



2017年11月9日木曜日

【日記】久しぶりに風邪をひきました

久しぶりに風邪をひいて寝込んでいます

なんだか、へんな症状で、
熱があるのに布団をかぶってると、
暑くて寝れない、という塩梅です

頭は痛いし、鼻水、咳はでるし
しばらく主食はウィーダーでした

でも、そんな時でも、ルルは効きました
あっちゅうまに症状を緩和してくれます

ルルのおかげで、この文章もかけてます

週末には生還できると思いますので
イルカと白ウサギの後編、更新します

初の前後編だったのに、
間に風邪っぴきが入るとは………

皆さんも、気をつけて‼

2017年11月5日日曜日

イルカと白ウサギ[前編]

「知らない島に、ぼく一人、どうしよう……」

まだ子どもの白ウサギは、海の向こう側に見える、
住み慣れた島を見つめて泣いていました。

島にいく為には、海を渡らなければなりません。

白ウサギは子どもだとは言え、
泳げない訳ではありませんでしたが、
向う側へちゃんとつくか自信はありませんでした。

いや、泳げる自信があったとしても、
この状況では、どのみち海を渡ることはできません。

海には、何匹ものサメが泳いでいて、
白ウサギを海に入れさせまいと、
水中からにらみを利かせていたからです。

白ウサギは体をぶるぶる震わせながら、
サメを怒らせてしまったことを後悔していました。


───少し前の出来事です。

子どもの白ウサギは、今いる島から海を隔てて
向う側にある島に住んでいて、生まれたころからずっと、
島のあちこちを元気に走り回って遊んでいました。

ところが最近、白ウサギは島で遊ぶことに、
たいくつを感じるようになってしまいました。

もう島で知らない所は無い、遊びつくした!
と、思ってしまったからです。

そんなある日、海のそばまで来てみると、向う側に、
大きそうな島があることに気づきました。

行ってみたいなぁ、と白ウサギは思いましたが、
海岸から眺めているだけでした。

少し遠いので、泳ぎ切る自信がなかったからです。

白ウサギは、大きな島を見つけてから、
何度も海のそばまでやってきました。

海のそばで島を見つめては、行ってみたい、
と強く思うようになりました。

そして、この日も、
海のそばまでやって来て、島を見ていたのです。

「なんかいい方法はないかなぁ」

と思いながら海を見ていると、
一匹のサメが泳いでいるのが見えました。

「サメさんが背中に乗せてくれたら、
 あっちまですぐ行けるのになぁ」

白ウサギはそう思いましたが、
いつも不機嫌そうなサメがそんなことをしてくれるとは、
とても思いません。

親からも、いばり屋で見栄っ張りなサメには拘わるな、
と強く言われていました。

白ウサギは泳いでいるサメを、ぼーっと眺めていました。

「あ!」

白ウサギは、いいことを思いつきました。

そして、考えを巡らせてまとめると、大きく頷きました。

「いける!」

そう言うと、海岸のぎりぎりまで歩いて行きました。

そして身をかがめて、泳いでいるサメに声をかけました。

「サメさん、サメさん」

白ウサギが呼ぶと、海の中から、

「なんだい、坊主、なんかようかい?」

機嫌が悪そうな表情をしたサメが近寄って来ました。

「いやぁ、あの、」

白ウサギはサメの表情を見て一瞬ひるみましたが、
勇気を出して言ってみました。

「サメさんには、お友だちが大勢いますよね」

「あ? 友だち? っていうか仲間ならいっぱいいるなぁ」

「いっぱいですか。でも、サメさんの仲間の数なんて、
 きっとボクの友だちの数に比べたら、比べ物にならないほど、
 少ないと思うんだけどなぁ」

白ウサギはワザと馬鹿にしたような口調で言いました。

「あーん?」

サメは、さらに怖い表情になってから、

「おまえの仲間の方が多いだと?」

「ハイ」

自信満々に言う白ウサギにサメは、

「ふざけんな、オレの仲間の方が多いにきまってる!」

白ウサギはサメのその言葉で、シメタ、と心の中で思いました。

見栄っ張りのサメはバカにされたら、きっと
自分の方が多い、と言うと思っていたからです。

そして白ウサギは考えていた台詞を言いました。

「それじゃぁサメさん、仲間を呼んであの島に向かって、
 一列に並んでください。私が数えますから」

「分かった、オレの方が多いことを証明してやる」

と言ってからしばらくして、サメは仲間を集めて、
島に向かって一列に並ばせました。

「さぁ、数えてみろ!」

サメがそういうので、ウサギは「数えるよ」と言って、
軽やかにサメの頭に乗りました。

「1ぴき、2ひき、3びき……」

ウサギはサメの頭の上をぴょんぴょんと飛んでいき、
ついに、海の向こうの島までたどり着きました。

「13びきだ! スゴイねサメさん!」

白ウサギは島から、サメに言うと、

「そうだろう」

と、サメは自慢げな表情を見せてから、

「じゃぁ、今度はおまえの仲間の数をオレに数えさせろ」

そう言われて、ウサギはお茶らけた表情で言いました。

「へへへーん、冗談でした! ボクは始めから、
 こっちの島に渡りたくて、サメさんの頭を使わせてもったんだよ!」

白ウサギはまだ子どもだったので、
冗談だったと、言えば許してもらえると思っていたのです。

しかし、相手は気難しいサメです。

お茶らけている白ウサギに向かって、

「なんだコラー!!」

と、大きな声を上げました。

白ウサギはビックリしました。

サメは、怖い顔で言いました。

「フン、小僧、オレをだましてタダで済むとは思ってないだろうなぁ」

「いや、だましたなんて、ゴメンナサイ、ほんの冗談です、冗談」

「あやまっても冗談でも、オレを小バカにしたことは同じだ!」

サメの低い叫び声を聞いて、
白ウサギは、唾をゴクリと飲みました。

サメは、白ウサギをしばらくにらんだあと、ニターっと笑いました。

「ところで小僧、そこから元いた島に戻る方法は考えているのか?」

白ウサギは“ハッ!”となりました。

帰ることまでは考えていなかったのです。

その表情を見てサメは言いました。

「フフフ、もうお前にオレたちの頭はかさねえぜ、
 しかも、泳いでも渡らせない、おまえが飛び込んだら、
 ひとのみしてやる。
 そのために、ずっとこの海を仲間と一緒に
 泳いで見守ってやるからありがたく思え」

フフフフフフ、とサメたちが、イヤな笑いを浮かべました。

「え、えぇぇぇ……」

白ウサギは、サメに拘わるな、という親の言っている意味が
やっと分かりました。

「毛皮をはぎ取られなかっただけ、ありがたく思いな! 
 オレはなんて、優しいんだろうな」

そうサメは言い残して、海の中を悠々と泳ぎました。

ときおり海から顔を出すサメにおびえながら。

「ど、どうしよう……」

白ウサギは、ぶるぶると震えて、
しゃがみ込みこんでしまいました。


───つづく、


2017年11月3日金曜日

【日記】風邪ひいたのかな?

風邪ひいたのか、
体調がよくないです

だるい

でも眠くはない

なんだろ~

午前中、
いい天気だったから
コンビニ行くのに遠回りして、
ぶらぶらお散歩してたら、
お日様の光を背中にいっぱい浴びちゃって、
汗かいて、薄着になって、
その後、そままで過ごしていたのが
よくなかったのかなぁ~

気温差が激しいから、
体調管理は気をつけないと
って、思ってたのにな

葛根湯のんで
早く寝ますzzz

みなさんも、体調管理には
気をつけてくださいね

せっかくの三連休、
寝て過ごすのはさみしいですからね(^^

2017年11月2日木曜日

【日記】起きる時間を決めるとイイことが起こる

【お題】睡眠時間はどのぐらいですか?


睡眠は、なにに対しても大切です。

成長、美容、脳の働き、体調管理、などなどなど。

うつ病やアルツハイマーや認知症、ガン、なども
悪い睡眠が原因とも言われています。

なるべく、良い睡眠を心掛けたいと思います。

でも、良い睡眠をとることって、結構、やっかいなんですよね。

よく8時間睡眠、とか、ゴールデンタイムに睡眠を、とか
4時間半寝れば十分だとか、いろいろ言われています。

でも、実は、睡眠時間は個人差があって、
どういった睡眠がいいのかは、
その人しだいなところがあるんです。

じゃぁ、自分は何時間眠ればイイんだ。
と、悩んで眠れなくなりそうです。

そこで、一番、簡単に悩みを解消できることを
お伝えします。

簡単なので、明日からできます。

それは、

「 起きる時間を決める 」

です。

仕事や遊び、お休み前の夜更かしなど、
同じ時間に寝ることは、意外と難しいものです。

でも、毎日、同じ時間に起きるというのは、
やろうと思えばけっこうできちゃいます。

どんなに夜更かししようが、同じ時間に起きてみましょう。

一度決めたら、続けることが大切です。

毎日、同じ時間に起きることを続けると、
体は段々慣れて来て、その時間が来ると、
ひとりでに起きられるようになります。

そうなると、体は正直で、起きる時間に合わせて、
眠くなる時間を合わせてくれます。

起きる時間を基準にして、自分の体がひとりでに、
最適な眠りにつける状態にしてくれるのです。

こうすれば、他人のいう睡眠時間やゴールデンタイムなどに
まどわされることなく、自分に最適な睡眠時間を得ることができます。

上手くいくかは個人差があるかもしれません。

でも、やってみる価値は、絶対あるので、
あなたも明日の朝から、是非、試してください。

今まで感じられなかった、快適な日々が
おれるようになるかもしれませんよ。

2017年11月1日水曜日

神様がくれた犬

『 神様がくれた犬 ドンのハッピー新聞 』 倉橋 燿子 作


小学生の女の子二人が、たまたま出会った、気性が荒く、
飼い主も手に負えず、保健所行きが迫っている犬を、
なんとか飼えるようになるまで“しつけ”をする奮闘記。


※※※ この先は、ネタバレ注意です ※※※


タイトルからすると、とてもキセキ的なワンちゃんが出てくるのかと
期待していたのですが、とってもとぼけてカワイイ、ワンちゃんで、
ちょっと期待外れでした(いや、逆になごみました(^^ )。

タイトルがハードルを上げ過ぎているのだと思います。

サブタイトルだけの方が、微笑ましい感じがして、
よかったのではないでしょうか。

いや、むしろ、サブタイトルに沿った物語にした方が
よかった気がします。

主人公二人は新聞を作っていて、ドンのことも載せているのですが、
学校で話題になっているということは伝わって来ますが、
具体的な内容は物語に出てきません。

物語は二人がドンを飼って、しつけていく過程を綴っているのですが、
ドンをしつけることに対して、二人の主人公よりも、
周りにの人たちの影響力が大きく、助けてくれるので、
二人がドンを成長させた、という感じがしません。

それだけに、二人が作った新聞記事を通して、ドンと拘わって
感じたことなどを表現すればよかったように思います。

また、物語の途中、主人公の心情が表現されるところがあるのですが、
出方が唐突すぎて、物語に馴染んでいないように感じました。

もっと、主人公がドンと拘わって、ドンの成長と共に
二人も成長していく過程を、言葉だけで表現するのではなく、
深く描いて欲しかったです。

最後まで、どこらへんが「神様がくれた犬」なのかも
よく分かりませんでした。


※※※ この上は、ネタバレ注意です ※※※


とてもかわいくて、飼い主思いの賢い犬のお話です。

絵は可愛いし、二人の主人公もがんばってるし、
ドンも健気だし、文章も読みやすい。

登場人物も、良い人が多いです。

可愛いワンちゃんを飼いたい!

と思っているかたには、しつけのしかたが分かります。

犬が大好き!

というかたは、気構えることなく、肩の力を抜いて、
のんびりした気分でなごめる、楽しい作品だと思います。

(053-3)神様がくれた犬: ドンのハッピー新聞 (ポプラポケット文庫)

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【日記】ナゾトレはメンタルヘルス?

フジテレビの『今夜はナゾトレ』。

一週おきの放送ですが、関連図書が売れてて、
なんだか盛り上がっている感じがします。

今夜(10月31日)放送では、錯視画的な問題が出題されていました。

答えが分からないと、全く見えないのに、答えが分かったとたん、
今まで気づかなかったのに、答えの方しか見えなくなってしまう。

そんなところが錯視画のおもしろいところですが、
これ、実は人間の脳のクセを見事に表しているんです。

『 錯覚の法則 』西田文郎 著 大和書房

この本では、錯視画を使って脳がいかに騙されるか、
を解説しています。

錯視画の中には、2つのものが同時に描かれているのに
どちらか一方に集中すると、もう一方は見えなくなってしまいます。

そのように、脳は2つのものを同時に見ることができず、
一方に集中してしまうと、他のものは認識し辛くなってしまいます。

「辛い」と感じるとき「もうダメだ」と思ったときなどは、
まさに、脳は「辛い」「もうダメだ」ということに集中してしまい、
その他のことを認識しなくなっています。

そんな時は、辛いことやダメなことを
いろんな視点から見るようにするのが良い解決法なのですが、
一方向に集中してしまった脳を別の視点に向けるのは
けっこう大変なんですよね。

落ち込んでいる時なんかは、尚更、別の視点になんて向けられない。

そこでです。

そんな時こそ、ナゾトレ、がオススメです。

謎を解くためには、視点を変え、発想を転換し、
あらゆる方向から考えなければなりません。

ナゾトレ問題をいっぱい解けば、段々、視点を変えることが
容易にできるようになり、難問が解けるようになってきます。

ナゾトレの難問を解けるようになったら「謎」を解くことを
「辛い」や「ダメ」を考えるときに応用してみるのです。

謎を解くように、辛いやダメを、視点を変え、発想を転換し、
あらゆる方向から考えてみる。

そしたら、まったく違った答えが出て来るかもしれません。

辛いやダメ、以外の答えが見つかったら、もう、こっちのものです、
脳はもう、新しい答えの方しか見えなくなります。

状況は変わらないのに、脳は、辛いともダメとも認識し辛くなるのです。

『 人生は脳に騙されるか、脳を騙すかにかかっている 』

西田文郎さんが、上記紹介の著書の冒頭で書かれています。

メンタルに強くなるために、ナゾトレで鍛えてみてはいかがですか?