※しばらくの間、童話の更新は週1回(土曜日の夜)のみになりますm(_ _)m

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2017年10月9日月曜日

キワさんのたまご

『 キワさんのたまご 』 宇佐美牧子 作


とても暖かいものに包み込まれる
そんな雰囲気を感じる小説です。

主人公は小学生の少年。

両親はお弁当屋さんを経営していて、忙しくて、
家にいる時間は少なく、ほとんどお店で過ごしています。

いつも遊んでいた友だちは、今年からサッカーを始め、
忙しい毎日を送っています。

夏休みに入り、主人公は1人退屈な日々を過ごしていました。

ある日、お父さんが農家に仕入に行くというのでついて行きました。
広大な屋敷の片隅に、お婆ちゃんが住んでいて、
そこで採れるたまごは「まぼろしのたまご」と呼ばれている、
ということを知ります。

主人公はなかなか手に入らない「まぼろしのたまご」のことが気になり、
手に入れることをこの夏休みの目標にしようと決め、
ひと夏の物語がはじまります。


この小説は夏休みの少年の成長の物語です。

ただ、少年が肉体的、精神的に成長するだけではなく、
大切なことも発見していきます。

その過程が様々な視点を通して、生き生きと表現されています。

私はこの物語を読んでいて、子どもの頃、
親とどんな接し方をしていただろう、
と思い返してしまいました。

私の家は、あまり裕福ではありませんでした。

母は、ずっと専業主婦でいたのですが、
ある時、パートで働き始めました。

夏休みの初日、お昼休みに一緒にお昼を食べよう、
と母に誘われ、兄弟で母のパート先へ行きました。

働ている母の姿を初めて見て、ちょっと不思議な気分でした。

そして、お昼休みになり、
母とお昼を食べに行くことになりました。

どこにしようか、とお店を探そうとしたのですが、
すぐ側に、たまに来るお寿司屋さんがあり、

「じゃぁ、ここにしちゃおう!」

と、母が言ったので、兄弟はびっくりしました。

ま、回転寿司なのですが、当時は今ほど
気軽に食べれる値段ではなく、特に裕福では無い我が家では、
特別な日でもなければ滅多に食べることができないものでした。

私たち兄弟は、お寿司が食べれて、嬉しいような、
お金大丈夫なのかなぁ、と心配するやらで、
ソワソワしながら食べていたのを覚えています。

その時の母は、とても嬉しそうでした。

大人になって気付きましたが、働き始めたパート先に、
初めて子どもたちがお昼を食べに来たことが嬉しくて、
お寿司を奮発してしまったんでしょう。

これは私の子どもの頃の親との思い出ですが、
このように、子どもの頃の思い出が、
ひとりでに蘇ってくる力をこの小説は持っています。

懐かしい、あの頃の何気ない日々を思い出して
ほっこりとした気分に浸りたいというかたに、
おオススメしたい小説です。

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