ご近所に、こんな場所があったら楽しいだろうなぁ~、
と、思います。
学校でもない、家庭でもない、会社でもない、
もうひとつの場所。
舞台は近所のボイススクールにある児童合唱団。
団員は小学校1年生から6年生の9名。
目指すは、市民会館で行われる合唱コンクールで金賞を取ること。
とても、小さな世界の物語です。
ところが、そんな小さな世界でも、
とても豊かに物語が綴られて行きます。
朝早く、酔っぱらって帰宅する謎の叔父さん。
急病で倒れる児童合唱団の先生。
とっても先が不安になりそうな出来事から、この物語は始まります。
しかし、読み進めると不安はすぐに解消されます。
それはなぜか?
とにかく登場人物が、みんな、魅力的だから。
みんな根っこでは同じ方向を見て行動しているから。
だから、不安なことが起こっても安心して読み進めることができます。
大きな葛藤や、悲惨な事件、事故などを期待していると
肩透かしを喰らいます。
よく、悪役が出てこない物語はおもしろくない、と言われます。
この物語には、まったく悪役が出てきません。
その上、大きな事件、事故もない。
そんな物語なのに、この作品の世界観に浸ると、とても気分がよく、
なんだかワクワクしてきます。
読み終えた感想は
「あー、楽しかった」
です。
とくに大きく心を動かされることもありません。
大笑いするわけでもありません。
でも、魅力的な登場人物が奏でる物語と戯れるひと時は、
とても心地いいです。
あなたも、肩の力を抜いて、この心地いい世界観に、
どっぷりとつかってみてください。
きっと、和みますよ。
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