※しばらくの間、童話の更新は週1回(土曜日の夜)のみになりますm(_ _)m

≫≫≫ ☆ もくじ ☆ ≪≪≪

2017年7月15日土曜日

キツネとツル

キツネが同じ村に住むツルを食事に誘いました。

キツネはいたずらが大好きです。

ツルを困らせてやろうと思いつきました。

やって来たツルに座るようにすすめると、
テーブルに薄いオレンジのチェックが入ったお気に入りの
ランチョンマットをひきました。

「あ、キツネさん、なんだか本格的ですね」

いたずらされるとも知らずに、ツルは驚いてそう言いました。

二コリとだけ笑みを浮かべたキツネは、縁に赤い線の入った
真っ白な平らなお皿に、とびっきりおいしいスープをよそり、
ランチョンマットの上に置きました。

「さぁ、さぁ、ツルさん、たーんとお食べ」

キツネは満面な笑みを浮かべてそう言いました。

ツルは「うん……」と返事をしましたが、
目の前に出されたお皿を眺めて、

(どうしたらいいだろう……)

と悩みました。

ツルのくちばしでは、平らなお皿によそられた
スープを飲むのが難しいからです。

キツネは悩んでいるツルを見ながら上機嫌で、
自分のスープもよそりました。

そして、舌を使って美味しそうに飲み始めました。

ツルには分かっていました。

いたずら好きなキツネが、自分をからかって楽しいんでいることを。

だから逆に、上手く飲んで驚かせよう、と思いました。

考えたすえ、ツルは行動に出ました。

テーブルの高さまで首を下げると、
スープが入っているお皿を“ジーっと”凝視しました。

キツネはツルの行動が気になって、
スープを飲むのを止めて見ていました。

ツルはお皿を凝視したまま、
くちばしをお皿と水平になる位置につけました。

そして、まっすぐ皿の方へ進め、お皿の縁の赤い線を越えた辺りで、
くちばしを少し開き、スープの中に入れていきました。

くちばしを少し持ち上げると、
くちばしの下にスープが溜まっています。

それを見て、キツネはごくりと唾を飲み込みました。

ツルの動きが止まりました。

このままゆっくりと首を上に向けてスープを流し込もうか、
一気に上に向けてスープを流し込もうか、
どちらにするか考えていたのです。

やがて、ツルは一気に首を上に向けました。

すると、スープが一気に口に入って来てしまい、
苦しくなって吐き出してしまいました。

「クカーッ」

と、苦しそうな声を上げるツルを見て、キツネを大笑いです。

ツルはあきらめずに、二回目の挑戦!

くちばしにスープを入れると、
今度は、ゆっくり首を上に向けました。

今度はスープがゆっくり口の中に入ってくるのですが、
くちばしの横から、じょぼじょぼと、こぼれてしまい、
少ししか飲めませんでした。

キツネはそれを見て、また大笑いをしています。

ツルはその後、何度も繰り返し最後の方では、
結構上手にスープを飲むことができるようになりました。

キツネは食事が終わるころには、笑うのもやめて、
静かにスープを飲んでいました。

「ごちそうさまでした」

食事が終わり、帰りがけにツルは言いました。

「今日は、おいしい食事をありがとう、
 今度は私のうちへ遊びに来てくださいな」

キツネはイヤな予感がしましたが

「よろこんで!」

と笑顔で答えました。


───数日後…。

今度は、ツルの家にキツネが食事にやって来ました。

ツルはこの前の仕返しをしてやろうと考えました。

そして、細長い首の透明な瓶の中に、
たくさんの豆を入れてキツネの前に出しました。

「どうぞ召し上がれ」

召し上がれ、と言われてもキツネはどうすることもできません。

どうしたって、この細長い首の瓶に口が入らないからです。

ツルは、われ関さず、とばかりに、器用にくちばしを使い
豆をポリポリと食べていました。

キツネはツルの仕返しだということに気付きました。

なので、この前ツルがしたように自分もこれをなんとか
食べてやろう、と思いました。

キツネは細い瓶の口を真上から、ガブリ、っと噛みつきました。

器用に豆を食べていたツルは、いきなりのキツネの行動を、
目を丸くして見つめました。

キツネは瓶の口を真上から噛みついたまま、
しばらく動きませんでしたが、やがて、
ゆっくり首を後ろに倒していきました。

キツネの首が後ろに倒れて行くのに合わせて、
くわえている瓶も徐々に傾いて行きます。

そして、瓶が真っ逆さまになったとたんに、
たくさんの豆が一気に口の中に入って来て、
むせ返してしまいました。

「ゲホゲホ」

と、苦しそうな咳をしているキツネを、
ツルは目を丸くして見ています。

キツネはあきらめずに二回目の挑戦!

今度は、素早く首を傾けました。

すると、豆は塊になり細い瓶の中で詰まって、
なかなか口の中に入って来ません。

それでもキツネは何回も何回も挑戦し、そのうちコツを掴み、
だんだん自分の上手に食べられるようになりました。

「ごちそうさまでした」

キツネとツルは食事を終えました。

二匹の間に少しの沈黙が生まれました。

─────。

それを破るかのように、

『あのっ、』

と、同時に声を出しました。

お互い気まずそうに顔を下げてからツルが
大きな羽をキツネに向けて、先に話していいよ、
という仕草をしました。

それを見てキツネは言いました。

「あのね、ボク、このまえツルさんに、お皿でお食事出しちゃって
 意地悪だったね、ごめんね」

ツルは答えました。

「ううん、私こそ、食べ辛い瓶で食事を出してしまって
 ごめんなさい」

「あのね、もう一度、今度は食べやすい器、
 お互いが食べやすい器でね、もう一回、お食事しない?」

それを聞いてツルは目を丸くしながら、

「私も同じことを言おうとしてました」

キツネはキョトンとした表情でそれを聞きました。

そして二人は同時に笑いました。

数日後、二人はキツネの家で食事をしました。

キツネは赤い縁の皿の上に料理を乗せ、
ツルは透明な細長い口の瓶に料理を入れ、
二人とも食べやすい器で、楽しく食事をしました。


おしまい



今回のもとのお話はコチラ

福娘童話集
http://hukumusume.com/douwa/pc/aesop/01/31.htm



━━━ お話はここまで ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



☆ちょこっとHappy♪☆


意地悪されたとき、あなたはどうします?

怒ったり悲しんだりする前に、本当に意地悪されたのか
確認してみるのはどうでしょう?

相手は、自分が意地悪るなことをしたことに気づいてなかったり、
逆に善意でやっていたりすることもあるからです。

早合点して感情的になるのはもったいない。
相手が大切な人なら尚更です!!

相手が本気で『意地悪している!』と確認できてから、
怒ったり悲しんだりしてみましょう。

まず『真意を確認する』その方が、関係を修復するときも
近道ですよ。


今日のHappy♪ポイント

『早とちりしないで、まずは確認してみては?』


あなたの意見をお聞かせくださ~い(^-^)




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